[I-YB02-4] 右室流出路導管狭窄に対する経皮的ダブルバルーン拡大術の効果
キーワード:ダブルバルーン, 右室流出路狭窄, Rasetelli手術
【背景】Rastelli手術における右室流出路導管は経年的にサイズミスマッチ,弁の硬化・石灰化,吻合部狭窄などにより圧較差が進行し高率に再介入を要する.姑息的手段としてのバルーン拡大術の再手術に対する位置づけは定まっていない.【目的】右室流出路導管狭窄に対するバルーン拡大術、特にダブルバルーン法(DB)使用時の効果を検討する.【対象と方法】対象:2010/1~2017/12にRastelli手術を行った112名の内,DBを行った15症例21件.そのうち,先行手術は体肺短絡手術10例, Norwood手術4例,肺動脈絞扼術2例,手術なし5例であった.方法:診療録から導管の種類,導管-右室圧較差(PG)・右室左室圧比(RV/LV),合併症,再手術を後方視的に検討.DBは高耐圧バルーン2本を用い, Yeager換算でバルーン径/導管径比1.0となるようにサイズを選択した.【結果】手術からDBまでは4.6年[1.5-10.9](中央値[範囲]).DB施行時8.05歳[2.2-13.8].手作り導管(3弁15例,1弁6例).導管径は10-12mm3例, 14-16mm 16例,18mm以上2例.RV/LV≧0.6をDBの適応とし,DB後低下傾向を認めた(0.84[0.65-1.14]vs0.59[0.40-1.05], P=0.074).手技時間は113分で合併症を認めなかった.DB後の転帰として13例が再手術.理由は,BD無効=2例(弁下部筋性狭窄,弁石灰化のため),他病変と同時手術の必要性=5例,体格的成長により手術6例.DB後手術待機期間は2.04年[0.3-4.0].再手術を回避している残り8例のBD後観察期間1.31 年[0.1-3.75]であった.【考察】DBは多くの例で安全に急性効果と,2年程度の待機期間を期待できることから,患児の成長に合わせた再手術計画に寄与すると考えられる.