[I-YB02-6] 右室流出路再建におけるbulging sinus付きfan-shaped ePTFE valved conduit 1788本の遠隔成績(本邦65施設共同研究)
Keywords:RVOTR, conduit, ePTFE
【目的】先天性心疾患の外科治療において、右室流出路再建を要する疾患は多岐にわたり、有効な肺動脈弁機能を持つ素材が望まれる。本邦ではfan-shaped ePTFE valveを備えたbulging sinus付きePTFE conduitを多施設で採用頂いており、その成績が満足できることを報告してきた。今回、本邦65施設による多施設共同研究により本導管の遠隔期成績を検討した。
【対象】2001年から2019年までに本導管を右室流出路再建に使用した本邦65施設のアンケート調査(回収率88.0%)を行い、回答を得た1788例(根治術(R)群:1638例,姑息術(P)群:149例)について検討した。手術時の年齢/体重の中央値は3.8歳(2日-67.1歳)/12.4kg(1.8kg-86.0kg)。術式(導管のサイズ)はR群:Rastelli型手術1371例(8-24mm),Ross型手術140例(14-24mm),TGAに対するRastelli型手術127例(14-24mm。P群:二心室修復症例に対する姑息的右室流出路再建:105例(8-18mm),単心室症例に対するRV-PA conduit:44例(5-14mm)であった。
【結果】観察期間は0日から16.2年(中央値:3.0年。Moderate以上の弁逆流は153例(8.6%)のみで右室肺動脈間圧格差も11.0±16.0mmHg(R群)と軽度。再手術回避率はR群で5年:91.2%,10年:65.9%。200例(R群:177例,P群:23例)に再手術(導管交換)を施行。成長に伴う相対的導管狭窄および合併手術により交換例が200例中125例(R群:103例,P群:22例),弁硬化に伴う狭窄が52例(R群:51例,P群:1例),逆流が10例(R群:10例,P群:0例),感染が11例(R群:11例,P群:0例)。P群では次段階手術に至るまでに弁不全で再介入を要した症例は2例(1.3%)のみ。
【結語】本導管の遠隔期成績は満足いくものであった。小口径例でも単心室/二心室修復に関わらず次段階手術まで安定した弁機能を保持できていた。感染症などの合併症も異種導管に比較して少なく、現時点で最も優れた導管であると考えられる。今後、微小石灰化の防止等更なる改良が望まれる。
【対象】2001年から2019年までに本導管を右室流出路再建に使用した本邦65施設のアンケート調査(回収率88.0%)を行い、回答を得た1788例(根治術(R)群:1638例,姑息術(P)群:149例)について検討した。手術時の年齢/体重の中央値は3.8歳(2日-67.1歳)/12.4kg(1.8kg-86.0kg)。術式(導管のサイズ)はR群:Rastelli型手術1371例(8-24mm),Ross型手術140例(14-24mm),TGAに対するRastelli型手術127例(14-24mm。P群:二心室修復症例に対する姑息的右室流出路再建:105例(8-18mm),単心室症例に対するRV-PA conduit:44例(5-14mm)であった。
【結果】観察期間は0日から16.2年(中央値:3.0年。Moderate以上の弁逆流は153例(8.6%)のみで右室肺動脈間圧格差も11.0±16.0mmHg(R群)と軽度。再手術回避率はR群で5年:91.2%,10年:65.9%。200例(R群:177例,P群:23例)に再手術(導管交換)を施行。成長に伴う相対的導管狭窄および合併手術により交換例が200例中125例(R群:103例,P群:22例),弁硬化に伴う狭窄が52例(R群:51例,P群:1例),逆流が10例(R群:10例,P群:0例),感染が11例(R群:11例,P群:0例)。P群では次段階手術に至るまでに弁不全で再介入を要した症例は2例(1.3%)のみ。
【結語】本導管の遠隔期成績は満足いくものであった。小口径例でも単心室/二心室修復に関わらず次段階手術まで安定した弁機能を保持できていた。感染症などの合併症も異種導管に比較して少なく、現時点で最も優れた導管であると考えられる。今後、微小石灰化の防止等更なる改良が望まれる。