The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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優秀演題

画像診断・シミュレーション医学・心臓血管機能

優秀演題07(II-OEP07)
New Topics 画像で迫る先天性心疾患の心機能

Mon. Nov 23, 2020 10:10 AM - 10:40 AM Track6

座長:稲毛 章郎(榊原記念病院 小児循環器科)
座長:板谷 慶一(京都府立医科大学心臓血管外科 心臓血管血流解析学講座 / 成人先天性心疾患センター)

[II-OEP07-2] 光干渉断層像(Optical Coherence Tomography:OCT)による肺動脈・冠動脈病変の3次元画像評価

本間 友佳子, 早渕 康信, 香美 祥二 (徳島大学大学院医歯薬学研究部 小児科)

Keywords:Optical coherence tomography, 3D画像, vasa vasorum

【背景】肺動脈性肺高血圧や先天性心疾患における肺動脈病変、川崎病の冠動脈異常の組織学的評価に光干渉断層像(OCT)が応用され、病理学的診断による重症度判定に準じて疾患の予後や治療効果判定に役立つと報告されている。OCT画像から得られる血管病変をより詳細に観察するために3次元的構造解析を試みた。【目的】OCT画像から得られた血管病変の組織学的異常の3次元構築の可否と臨床的有用性を検証した。【方法】肺動脈性肺高血圧、先天性心疾患、川崎病を対象とした。ILUMEN FD-OCT Imaging Systemを用いて肺動脈、冠状動脈を観察した。DICOMファイルからOsiriX MD, QAngiOCTを用いて2D断面像およびMPR (multi-planar reconstruction)像 、VR(Volume Rendering)像などの3D画像を構築した。【結果】Fontan candidateにおける肺動脈周囲のvasa vasorum (VV)の増生や形態を3D画像で明瞭に示すことができた。川崎病における冠動脈内膜増生や肺高血圧症における肺動脈内中膜肥厚にはVVの関与が示されているが、内膜肥厚が強く血管外膜側のVVの形態や発達を明瞭に示すことは困難であった。2D断面像で得られた内膜肥厚の領域は3D画像では明瞭に評価できた。 【考察】血管長軸方向の画像解像度は低かった。また、内膜肥厚を認める症例の血管外膜側の解析には適していなかった。肺動脈のVVの形態把握や冠状動脈内膜肥厚の観察には有用であった。 【結語】OCT画像の3次元構築は可能であり、血管リモデリングや病態の重症度評価、治療効果などの臨床的有用性に繋がっていく可能性があると考えた。