[II-PD05-6] 当院におけるEXCORの長期使用から国内移植へのブリッジの経験
Keywords:小児重症心不全, 心臓移植, 補助人工心臓
【目的】EXCOR pediatricが本邦においても保険適応となり、これまで心臓移植まで到達することが困難であった小児に対する治療の道が開けた。我々の施設において行われたEXCOR装着症例を検討し、その利点、問題点などについて検討した。【方法】当院において2012年8月から2020年3月までに行われたEXCOR装着症例12例を対象とした。【成績】装着時年齢は中央値で1歳10か月(3ヶ月-13歳3ヶ月)、体重は7.7kg(2.7kg-25.0kg)であった。診断は拡張型心筋症が9名、左室心筋緻密化障害+心室中隔欠損1名、劇症型心筋炎後心筋症1名、総動脈幹症術後1名。12例中8例が移植に到達(国内4例、海外4例)し、1例が離脱(装着530日)、1例が装着後1年4ヶ月後に死亡した。装着中、血栓によるポンプ交換が行われた症例は2名のみで、いずれも血液培養陽性を伴う感染があった症例であった。【結論】EXCORによる補助循環は比較的長期に安全に施行でき、小児に対する国内での移植も可能となった。今後は、国内でのドナーの増加が望まれる。