[II-TRS04-5] 先天性心疾患手術の体外循環戦略 -術式変更-
Keywords:体外循環, 先天英心疾患, 術式変更
先天性心疾患手術の体外循環は幅広い年齢や体格、病態など複雑に絡み合った患児を対象としている。さらに近年では、成人期に達した成人先天性心疾患も増加している。これらに合わせるかのように術式も解剖学的根治手術、機能的根治手術、姑息的手術と多種多様で、先天性体外循環においては必然的に多くの術式や血行動態に対応していく必要がある。
解剖学的根治術においては術式変更となる場面は少なく、再大動脈遮断や離脱後の再導入にどのように対応するのか戦略を立てておく必要がある。これらに加えて、機能的根治手術や姑息的手術においては体外循環中の術式変更が行われる場面もあり、体外循環計画を考える際にはこの点も考慮した計画が必要である。我々の施設におけるこれらの戦略として重要視しているのは、手術スタッフ間の情報共有である。術前の術者や麻酔科医との打ち合わせの他、タイムアウト時に体外循環計画を共有している。ここではカニューレサイズ、予定灌流量、予定体温、予定使用輸血量の他、考え得る体外循環計画の変更を担当技士より報告している。体外循環中は麻酔科医との情報交換を密に行うことで常に体外循環計画の更新を行い、不測の事態への対応や対処療法に終始しない体外循環を心掛けている。体外循環技士の間では、送血ポンプを除く体外循環回路を新生児から成人まで同様の回路レイアウト、構成を基本とし、小児独自の回路構成をなくすことによる回路使用感覚を共有している。
患児の安全を担保する戦略として、体外循環を担当する技士は、補助人工心臓植込みや移植には成人重症心不全を十分に経験した者、成人先天性心疾患には成人の分離体外循環を習得した者、複雑心奇形や機能的根治術にはシャントや解剖学的な血行動態を熟知した者を担当としている。突然の術式や体外循環計画の変更には、疾患や血行動態、使用回路構成を十分に理解していなければ対応が難しいと考えている。
解剖学的根治術においては術式変更となる場面は少なく、再大動脈遮断や離脱後の再導入にどのように対応するのか戦略を立てておく必要がある。これらに加えて、機能的根治手術や姑息的手術においては体外循環中の術式変更が行われる場面もあり、体外循環計画を考える際にはこの点も考慮した計画が必要である。我々の施設におけるこれらの戦略として重要視しているのは、手術スタッフ間の情報共有である。術前の術者や麻酔科医との打ち合わせの他、タイムアウト時に体外循環計画を共有している。ここではカニューレサイズ、予定灌流量、予定体温、予定使用輸血量の他、考え得る体外循環計画の変更を担当技士より報告している。体外循環中は麻酔科医との情報交換を密に行うことで常に体外循環計画の更新を行い、不測の事態への対応や対処療法に終始しない体外循環を心掛けている。体外循環技士の間では、送血ポンプを除く体外循環回路を新生児から成人まで同様の回路レイアウト、構成を基本とし、小児独自の回路構成をなくすことによる回路使用感覚を共有している。
患児の安全を担保する戦略として、体外循環を担当する技士は、補助人工心臓植込みや移植には成人重症心不全を十分に経験した者、成人先天性心疾患には成人の分離体外循環を習得した者、複雑心奇形や機能的根治術にはシャントや解剖学的な血行動態を熟知した者を担当としている。突然の術式や体外循環計画の変更には、疾患や血行動態、使用回路構成を十分に理解していなければ対応が難しいと考えている。