[III-YB04-2] 主要体肺側副血行路(MAPCAs)に対する外科治療(SI)とカテーテルインターベンション(CI)のコラボレーション戦略
Keywords:MAPCAs, カテーテルインターベンション, 肺血管統合術
【背景】良好な肺循環を確立するためにはMAPCAsの成長が必須であり,そのためのSI,CIコラボレーションは重要である.【目的】MAPCAs合併肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損(PAVSD)に対するCIの役割,展望について考察する。【対象】2008-2019年に当院で加療を行ったMAPCAs合併PAVSD 8例.フォローアップ期間は,(mean, range) (8.4, 1.1-14.3 年).出生体重(2753, 2511-3211 g).22q11.2 欠失症候群4例(50%).中心肺動脈あり5例(62%).【臨床経過】肺血管統合術(UF)前に行ったpalliation 4例 (50%, 体肺動脈シャント1例, 右室肺動脈シャント1例,ステント留置1例,肺動脈絞扼術1例 ).UF時の体重, 月齢(6.3, 2.5-9.5 kg, 8.0, 3-16ヵ月).6ヶ月未満のUF 2例(25%, いずれも中心肺動脈あり高肺血流).ラステリ術到達率,月齢(89%, 20.7, 16-24ヵ月).ラステリ術後収縮期右室圧,平均肺動脈圧(40, 33-49, 11.8, 8-17 mmHg).【CI】・UF前MAPCAステント留置1例2手技,MAPCAバルーン拡張2例5手技.・UF後肺動脈ステント留置1例1手技,肺動脈バルーン拡張7例12手技.・ラステリ術後肺動脈バルーン拡張5例8手技.【考察】・MAPCAsの成長が良好であれば早期のUFは可能.一方でMAPCAsの成長が不十分な例に対しては積極的にSI,CIを行うべき.・UF前MAPCAsステント留置は低侵襲かつ有効な新しい治療と考えられる.また閉塞傾向のMAPCAのrescueになる可能性がある.・UF後,ラステリ後のCIによる肺動脈リハビリテーションは必須である.ほとんどはステント留置を必要とせず,バルーン拡張のみで良好な肺循環を維持することができる.【結語】MAPCAsの形態,走行はまちまちであるため,標準的なUF時期を決めることは難しい.良いUFを行うための最適なCIの手段,SIとのタイミングを決定していくことが,ラステリ後の予後を良くする最善の戦略であると考えられる.