The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

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デジタルオーラル(I)05(OR05)
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指定討論者:武田 充人(北海道大学医学部 小児科学講座)
指定討論者:石川 友一(福岡市立こども病院 循環器科)

[OR05-2] 収縮能が保たれたFontan術後右室型単心室におけるTauの代理マーカーとしてのGlobal Longitudinal Strainの有用性

鈴木 康太, 新居 正基, 石垣 瑞彦, 佐藤 慶介, 芳本 潤, 金 成海, 満下 紀恵, 田中 靖彦 (静岡県立こども病院 循環器科)

Keywords:Global Longitudinal Strain, Tau, 右室型単心室

【背景】駆出率が保たれた(pEF)成人心不全患者において、二次元スペックルトラッキング法(2D-ST)で計測したGlobal Longitudinal Strain(GLS)やTauが拡張能と関連することが知られている。しかし、右室型単心室(SRV)における拡張能を評価する特異的なマーカーの報告はなく、Fontan術後SRVのpEF患者に対し、GLSやTauを拡張能単独の指標として用いることが可能かは明らかではない。【方法】Fontan術後SRVのpEF患者(RVEF>45%)39例を対象とした。中等度以上の三尖弁逆流、軽度以上の大動脈弁逆流、および有意な体肺動脈側副血行路を有する患者は研究から除外した。SRVおよび心房のGLSは、2D Cardiac Performance Analysis (TOMTEC)を用い四腔断面像で解析した。患者は心係数(CI: L/min/m2)と右室拡張末期圧(RVEDP: mmHg)を基準に4群に分類した。CI≧3.0およびRVEDP<6を満たす拡張能良好群をG群、CI<3.0、RVEDP≧6を満たす拡張能不良群をR群とした。はじめに、従来のエコー由来パラメータとTauを評価し、次に拡張能のパラメータをG群とR群で比較した。【結果】GLSとTauは正の相関関係を認めた(r=0.66, p<0.05)。減速時間(DT: ms)とTauは正の相関関係を認めた(r=0.58, p<0.05)。GLS(%)とTauはR群で有意に上昇していたのに対し(GLS; G: -16.2; R: -11.4, p<0.05, Tau; G: 20.9; R: 28.7, p<0.05)、EF(%)(G vs R: 54.5 vs 51.9, p=0.40)、右室面積変化率(%)(G vs R: 44.9 vs 41.5, p=0.35)、右室Tei(G vs R: 0.35 vs 0.40, p=0.41), およびE/A (G vs R: 1.2 vs 1.5, p=0.07)は有意差を認めなかった。【結語】2D-STで測定したGLSとTauは、Fontan術後SRVのpEF患者において拡張能の重要な指標である。GLSはSRV患者におけるTauの代理マーカーとして使用可能である。