The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

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デジタルオーラル(I)05(OR05)
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指定討論者:武田 充人(北海道大学医学部 小児科学講座)
指定討論者:石川 友一(福岡市立こども病院 循環器科)

[OR05-4] 先天性心疾患患者の感染性心内膜炎におけるガリウムシンチグラフィ

加藤 匡人, 岩朝 徹, 北野 正尚, 坂口 平馬, 津田 悦子, 大内 秀雄, 白石 公, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)

Keywords:ガリウムシンチグラフィ, 感染性心内膜炎, 先天性心疾患

【背景】先天性心疾患患者における感染性心内膜炎(IE)においても、ガリウムシンチグラフィ(Ga)は診断の確定や感染部位の同定に有効だが、どの程度有効であるかのデータは乏しい。また反復検査でのフォローアップがどの程度の意義があるかも曖昧である。【方法】2010年1月から2019年12月までの間に、当科でGaを施行し、IEと診断された28症例(男性15例、54%)を診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】IE発症時の年齢は生後2ヶ月-40歳(中央値12.5歳)であった。術後症例は27例(96%)で、チアノーゼ性心疾患術後は21例(75%)だった。心臓および血管内に人工物を有する例は23例(82%)で、RV-PA conduitが11例で最も多く次いで弁置換が10例だった。感染部位は左心系が8例(29%)、右心系が18例(64%)、両側もしくは判別困難な例が2例だった。感染部位として最も多かったのはRV-PA conduit(9例、32%)だった。全体のうち手術を行った症例は11例(39%)で、内科的治療のみを選択したのは17例(61%)だった。 Ga施行前に他の画像検査により感染部位を同定できていたのは6例(21%)のみで、22例(79%)はGaにより感染部位の同定に至った。Gaを2回以上施行した例は25例で、複数回の検査が治療方針の決定の根拠となったものは20例(80%)だった。一方で方針決定に寄与していないと思われたのは4例で、Gaの結果に関係なく抗菌薬投与期間を決定し治癒した。1例ではGaの陰性を確認の上抗菌薬を中止したものの、早期に再発した。【結論】Gaは先天性心疾患においてもIEの感染部位や治療方針の決定に必要な情報を提供する。複数回の検査も多くの場合は有用ではあるが、被ばく量などを考慮すると、より厳密に行われるべきと考えられた。