[OR05-6] 心筋血流シンチグラムによる右室機能評価
Keywords:心筋シンチグラム, 右室機能, 先天性心疾患
(背景)左室機能の評価に関しては,心筋シンチグラムでのQGS(Quantitative Gated SPECT)法での心室容積・駆出率計測はMRIとの良い相関が認められており、循環器内科領域・川崎病などで頻用されている。しかし右心室のQGSでの評価は、その複雑な右室形態の問題や右室ファントムなどでの評価が容易ではないことから、これまでevidenceは得られていなかった。 (方法)対象は2015年から2019年の間に当院で心筋シンチグラム、カテーテル検査を同時期に行なった先天性心疾患の80例。その中で全体(All)、右心系単心室(SRV,N=30)、2群に分けて心筋シンチグラムとカテーテルによるRVEDV,RVEFを後方視的に検討した。心臓核医学検査は99mTc-tetrofosminを投与して得られた画像をQGS(QGS+QPS2015, Sinai software)で解析し、アンギオ画像は右室造影をGraham法で補正したものを使用した。(結果)RVEDVはAll群ではr=0.79、SRV群ではr=0.70と両方の群で良好な相関が得られた(p<0.01).RVEFについてはAll群ではr=0.51,SRV群ではr=0.54と両方の群で中等度の相関が得られた(p<0.01). 右室圧/左室圧が1以上(単心室を含む)でr=0.82,1以下でr=0.90であり右室圧に関係なく良好な相関が得られた。 (結論)RVEDVは右室圧の大きさにかかわらず心筋シンチグラムでも一定の評価が可能である.