The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(I)07(OR07)
カテーテル治療1

指定討論者:江原 英治(大阪市立総合医療センター小児医療センター 小児循環器内科)
指定討論者:小林 富男(群馬県立小児医療センター)

[OR07-2] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術におけるAmplatzer Septal OccluderとOcclutech Figulla Flex2の比較検討

大木 寛生, 山形 知慧, 佐藤 麻朝, 森川 哲行, 小山 裕太郎, 宮田 功一, 永峯 宏樹, 前田 潤, 三浦 大 (東京都立小児総合医療センター 循環器科)

Keywords:心房中隔欠損症, カテーテル治療, 合併症

【背景】過大欠損,大動脈・上方辺縁(AS)広範欠損,下大静脈・後下方辺縁(IP)広範欠損,症候群等体重増加不良例以外は経皮的心房中隔欠損閉鎖術(pASDc)が可能であるが合併症回避に細心の注意が必要である.Figulla Flex 2(FF2)は柔軟で左房円盤が鈍化し開大し易くAS欠損での心浸食(Er)回避,Amplatzer Septal Occluder(ASO)は堅固で閉鎖し易くIP欠損での脱落(Em)回避に有効と思われる.【目的】閉鎖栓選択の妥当性を検討するためASOとFF2の治療成績を比較する.【方法】2010/8~2020/2のpASDcのうちCribriform4例,複数閉鎖栓留置2例を除いた146例を後方視的に調査.Er回避のため閉鎖栓による2mm以上の左房天井・Valsalva洞変形がないことを確認,Em回避のため押し引き5心拍ケーブルが撓み右房円盤が伸展するwiggle試験(W)を行った.【結果】ASO:70例,FF2:76例(以下ASO/FF2,中央値(幅)).女性(42/43人),年齢(7.4(3.0-82.8)/6.4(3.2-75.0)歳),肺体血流比(1.7(0.7-4.2)/1.8(1.1-4.8)),欠損孔径(11.6(4.5-32.9)/12.0(5.6-25.4)mm),stop flow法径(13.8(6.0-33.8)/15.2(6.1-29.4)mm),閉鎖栓径(14(6-36)/15.75(7.5-33)mm),辺縁欠損(1方向31/30,2方向以上11/11)に差なし.観察期間(5.5(0.1-9.4)/2.1(0.0-3.9)年)はASOで長く,シース径(8(7-12)/9(7-12)Fr),閉鎖栓径-欠損孔元径(1.9(-0.6-7.4)/3.9(0.9-8.4)mm)はFF2で大きかった(Mann-Whitney,p<0.001).透視時間(34.5(11-105)/41.5(18-121)分),手術時間(穿刺から止血,118.5(76-217)/122.5(77-254)分),閉鎖栓交換(10(アップ9,ダウン1)/5(アップ2,ダウン3),留置断念(4(W滑落4)/3(W滑落1,完全房室ブロック2)),成功率(94.2/96.1%),心浸食(0/0),脱落(0/0),頭痛(11/8),遺残短絡(5/8)に差なし.【結論】AS欠損にFF2,大欠損・IP欠損にASOという戦略で問題なかったが,Er回避には正確な左房天井・Valsalva洞変形評価,Em回避には妥協のないWが重要と思われた.