The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラル(I)15(OR15)
術後遠隔期・合併症・発達2

指定討論者:城戸 佐知子(兵庫県立こども病院 循環器内科)
指定討論者:立野 滋(千葉市立海浜病院 小児科)

[OR15-2] 3弁付コンディットを用いた右室流出路再建術の検討

廣瀬 圭一, 猪飼 秋夫, 村田 眞哉, 伊藤 弘毅, 腰山 宏, 石道 基典, 太田 恵介, 渡辺 謙太郎, 坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院心臓血管外科)

Keywords:右室流出路, 再手術, コンテグラ

【背景】先天性心疾患のさまざまな症例で右室流出路再建が必要となるが、肺動脈弁が温存できない場合の右室流出路再建についてはまだ一定の見解がない。【目的】3弁付コンディットによる右室流出路再建手術について検討を行った。【対象】当院で3弁付コンディットを使用した1997年以降の右室流出路形成術を行った175人216例(非根治手術症例は除外)を対象とした。男子103女子72で基礎疾患はPAVSD67、DORV17、TAC14、TOF13、cTGA13、TGA12、AS/AR11、IAA/CoA complex7、APV6ほか。RVOTR単独は55例のみ。手術時平均年齢5.3歳、体重17.3kg。使用材料は手作り三弁付ePTFE148(経年的にモデルチェンジあり)、Contegra41、人工弁+人工血管22、Yamagishi弁5で、使用サイズは14mm以下57、16mm76、18mm27、20mm以上56。【結果】死亡は11例(6.3%)であったが、RVOTとの直接の因果関係はなし。早期死亡は3例で原因は肺出血2、心不全(新生児手術)1、いずれもRVOTR非単独例。Kaplan-Meier法による死亡回避率は5年95.4%、10年85.3%。死亡に関係する有意な因子はなし。再手術は43例(19.9%)。再手術回避率は5年86.4%、10年48.7%。再手術に関与する有意な因子は手術時年齢(p=0.001)、体重(p=0.002)、Ross手術後(6/11、p=0.005)で、疾患・使用グラフトなど他因子に有意差なし。グラフトサイズは14mm以下を除き、16mm・18mm・20mm以上に分け検討したが有意差はなく、再手術回避率はそれぞれ5年85.8%・92.9%・89.0%、10年45.7%・46.3%・58.4%であった。20mm以上の再手術理由は併施手術に伴うものを除けば、経年に伴うPS進行が主であった。【結語】当院における3弁付コンディットによる右室流出路再建術について検討した。時代の流れはあるが、使用材料による再手術回避率は有意差がなかった。現時点では16mmが入れば10年弱は維持できると考えられた。一方、20mm以上でも同等の再手術回避率であり、さらなる改良が必要かもしれない。