[OR22-4] Fontan循環の破綻から見た予後予測因子~経過観察中の臨床的イベントが予後に与える影響
Keywords:Fontan手術, 予後, 多施設共同研究
【目的と方法】国内8施設の2010年以前にフォンタン手術を施行され生存退院した患者の臨床情報を後方視的に収集して長期生命予後の予測因子について検討した。生存率の推定はカプランマイヤ法を、生存解析はCox比例ハザードモデルを用いた。経過観察中の臨床的イベントと生命予後の関係については時間依存性Coxモデルを用いて解析した。
【結果】対象患者は1260名(女性599名)、フォンタン到達時年齢の中央値は3.6歳で術式はAPC348例、Bjork23例、Lateral tunnel 153例、intra/extracardiac727例。フォンタン後観察期間の中央値10.2年間に107名の死亡を認め、フォンタン後20年の生存率は88%であった。単変量解析では年齢およびフォンタン術後中央値1年での心臓カテーテル検査による血行動態指標を合わせて予測因子の解析を行うと、CVP15以上(HR 2.1 p<0.01)、酸素飽和度80未満(HR 4.29, p<0.005)、肺動脈楔入圧15以上(HR2.82, p<0.05)、平均動脈圧70未満(HR 1.96, p<0.05)、駆出率30%未満(HR 5.7, p<0.0005)、フォンタン到達年齢10歳以上(HR 2.0, p<0.05)が独立したベースラインの予後予測因子であった。また、経過観察中に発生したNYHAIII/IV(HR 24)、駆出率30%未満(HR 20)、80%以下のチアノーゼ出現(HR 4.7)、PLE(HR 5.4)、DC以外の治療を要する不整脈(HR 2.7)はベースラインのパラメータで補正後もそれぞれ有意に生命予後不良に関連していた。
【結語】フォンタン術後に施行した血行動態指標によりある程度の予後予測が可能だが、経過観察中に臨床的イベントの発生はその後の予後不良と密接に関係しており、これらはベースラインの血行動態の不良だけでは説明が難しい。
【結果】対象患者は1260名(女性599名)、フォンタン到達時年齢の中央値は3.6歳で術式はAPC348例、Bjork23例、Lateral tunnel 153例、intra/extracardiac727例。フォンタン後観察期間の中央値10.2年間に107名の死亡を認め、フォンタン後20年の生存率は88%であった。単変量解析では年齢およびフォンタン術後中央値1年での心臓カテーテル検査による血行動態指標を合わせて予測因子の解析を行うと、CVP15以上(HR 2.1 p<0.01)、酸素飽和度80未満(HR 4.29, p<0.005)、肺動脈楔入圧15以上(HR2.82, p<0.05)、平均動脈圧70未満(HR 1.96, p<0.05)、駆出率30%未満(HR 5.7, p<0.0005)、フォンタン到達年齢10歳以上(HR 2.0, p<0.05)が独立したベースラインの予後予測因子であった。また、経過観察中に発生したNYHAIII/IV(HR 24)、駆出率30%未満(HR 20)、80%以下のチアノーゼ出現(HR 4.7)、PLE(HR 5.4)、DC以外の治療を要する不整脈(HR 2.7)はベースラインのパラメータで補正後もそれぞれ有意に生命予後不良に関連していた。
【結語】フォンタン術後に施行した血行動態指標によりある程度の予後予測が可能だが、経過観察中に臨床的イベントの発生はその後の予後不良と密接に関係しており、これらはベースラインの血行動態の不良だけでは説明が難しい。