[OR23-5] 大動脈弁上狭窄 -Williams症候群と非Williamsエラスチン異常群の表現型比較-
キーワード:大動脈弁上狭窄, Williams症候群, 家族性エラスチン動脈症
【背景】大動脈弁上狭窄はWilliams症候群に多く合併する。また、非Williams症候群大動脈弁狭窄は家族性のエラスチン遺伝子の変異が認められるものがあることが知られている。大動脈弁上狭窄は進行性の症例もあれば、自然軽快する症例もあり、合併症含め経過は多彩である。【方法】カルテ後方視的研究にて、大動脈弁上狭窄症の診断に至った症例を対象にした。Williams症候群、非Williams症候群に分類し、手術介入の有無、肺動脈狭窄症・VSD合併の有無、手術回数・初回手術時期を比較した。【結果】本施設で1986年から2019年までに大動脈弁上狭窄症の診断となった症例を検討した。Williams症候群は39症例中8症例(20.5%)、非Williams症候群では14症例中7症例(50%)が手術介入なされていた(p=0.0463)。また、肺動脈狭窄症の合併も非Williams症候群で優位に高かった(p=0.0303)。VSDの合併の有無、手術回数、手術時期は有意差を認めなかった。また遺伝学的検査で家族性エラスチン動脈症診断の3例はすべて肺動脈狭窄症合併で手術介入されていた。【考察】非Williams症候群の大動脈弁上狭窄症は、症状が進行性で自然改善傾向がない可能性がある。家族性エラスチン動脈症は全症例に遺伝学的検査を出来ておらず、検討が必要である。【結語】Williams症候群と非Williamsエラスチン異常群の表現型と臨床経過の比較を行った。今後更なる研究により、手術可能性症例の早期発見と治療介入が期待される。