[P06-4] 心疾患を合併する13trisomyと18trisomy 症例に対する外科的治療の検討
キーワード:18trisomy, 13trisomy, 心疾患
目的:13、18trisomy症例の多くは心疾患を合併しており出生後早期に循環動態の悪化をきたしやすいが、生命予後不良な疾患群であるため積極的な治療を行わない症例も多い。当院ではまず出生後早期に必要な外科的治療を行い、血行動態を安定させ自宅退院に繋げられるようにしている。今回、外科的介入した13、18trisomy症例に対し、今後の治療指針の改善を目的として後方視的に検討を行った。対象と方法:2015年4月~2019年12月当院NICUに入室した13,18trisomyの10例うち心疾患に対し外科的治療を施行した9例に対し、心疾患の内訳、術後経過について後方視的に検討を行なった。結果:在胎週数37.4週、平均出生体重1672g。心疾患の内訳はASD+VSD+PDA3例、VSD+PFO1例、VSD+PDA1例、CoA complex+PDA 3例、Large ASD+small VSD1例。術式はPAB1例、PAB+PDAligation4例、CoA repair+PAB 3例、ASD patch closure 1例。手術時年齢、体重はASD closure症例が生後7か月、4.3kg、それ以外では平均年齢16.3日、平均体重1.8kg。周術期死亡はなく合併症は乳び胸が1例。平均観察期間は461日。自宅退院7例、このうち1例は親の受け入れ困難で自宅退院後に転院となり、他2例は入院加療中である。9例中3例は生後一年以内に死亡しており、死因は呼吸不全、消化管穿孔であった。生存症例のうち1例は初回PAB時に二段階調整を施行後、バルーン拡張術を施行した。心内修復症例は3例で、1例を自院、2例を他院で行っており、全例生存し外来経過観察中である。結論:13、18trisomy症例の生命予後は不良で治療方針については両親の希望、患児の受け入れ体制などが必要条件ではあるが、出生後早期に心疾患に対し姑息術で血行動態の安定を図ることで早期生命予後を改善し、自宅退院につながる可能性が高いことが示唆された。また3割は生後1年以内に死亡しており、姑息手術を先行することは心内修復術の判断に有用であると考えられた。