[P14-2] TCPC術前後3DCT撮影法
キーワード:CT, TCPC, 造影
【背景・目的】TCPC術前後のCTでは、SVC~肺動脈とIVCを同時に評価できる画像が求められるが、動脈相では両大静脈を同時に描出はできず、平衡相ではCT値が低くなり画像処理が困難となる。画像処理可能な造影・撮影方法を検討したので報告する。対象は2018年12月~2019年11月までの79例、8ヶ月~16歳、5~45Kgである。【方法】イオパミドール600mgI/Kgと生理食塩水(以後、生食とする)を同時に注入。混合率は体重別調整とし、グレン術直後(肺動脈の評価を主目的としIVCの情報は比較的重要でない時期)とTCPC術前後で異なる造影方法とした。グレン術直後・上肢から造影時は希釈造影剤20秒・生食4秒注入・直後に撮影、下肢から造影時は希釈造影剤30秒・生食4秒注入・直後に撮影した。TCPC術前後では上下肢どちらからの造影でも、造影剤注入予定量の7割を希釈しながら25秒・3割を更に希釈しながら23秒・生食4秒注入・直後に撮影した。TCPC術後では平衡相も撮影した。下肢から造影する時は臀部と下肢が高くなる体位とした。【結果】グレン術直後・上肢からの造影の全ての症例でIVCは評価できなかったが、上下肢どちらからの造影でも肺動脈の評価は可能であった。TCPC術前・上肢からの造影ではIVCの造影が不安定だったが、下肢からの造影では両大静脈は明瞭に評価でき手術計画に役立った。TCPC術後・上肢からの造影では左右の肺動脈が均等に造影されず評価できない症例もあったが、下肢からの造影ではIVC~導管と肝静脈の造影に不均一さはあるものの評価でき画像処理も可能であった。平衡相は均一な造影ではあるがCT値が低く画像処理が困難であった。また、体重の増加に伴い造影が不安定になる傾向があった。【考察】検査目的に合わせて、グレン術直後では肺動脈が、TCPC術前後では心大血管の空間的構造の評価が可能となった。体重増加に伴う造影の不安定さから、概ね35Kg以下の患者に対しては今回の方法で対応可能である。