[P15-3] 第三世代dual sourceコンピューター断層撮影イメージングによる先天性心疾患の診断と治療
Keywords:画像診断, 先天性心疾患, 心内修復手術
背景:先天性心疾患(CHD)の診断・治療において、詳細な心内の解剖学的理解は必須である。第3世代dual source CT(DSCT)は、高い空間時間的解像度を持ち、管電圧を下げることで被曝線量を減らし、かつ詳細な心内構造の画像を作成することができる。我々は、CHDの心内構造の評価にDSCT 3D画像を利用しており、その有用性を報告する。 方法:造影CT検査は、収縮期に焦点を合わせたSOMATOM Force imaging deviceにて撮影。管電圧は70 kVで、high-speed spiral modeのturbo flash spiralで撮影、Ziostation2を使用して3D画像を作成。2019年以降、31例のCHDの画像を作成し手術計画に使用。年齢は6ヶ月(0ヶ月-25歳)。診断は、VSD:9、TF:6、DORV:5、ASD:3、SV:2、SA:1、CAVSD:1、TF/CAVC:1、ccTGA:1、TAPVC:1、及びHLHS:1。遺残病変の症例は、VSDの残存(症例1)、Fontan手術後の肺静脈還流障害(症例2)、心房内re-routing後の残存shunt(症例3)であった。術前画像から得られた情報を術中所見と比較した。また、術後経過に関しても検討した。結果:被曝線量(CTDlvol)は0.81mGy(0.51-1.63mGy)。手術死亡なし。術前計画手順の変更が必要な症例は認めず。すべての症例で術前の画像所見と一致する心内構造が術中に観察された。DORVの1例は、術前画像からremote type VSDと診断しVSDの拡大を施行。残存病変の症例のうち、症例1では術前3DCT画像で詳細に残存VSDが示され、症例2では、術前画像により残存心房中隔壁による心室への肺静脈血流障害が示され、手術で隔壁を切除。 症例3では、術前画像で心房内patchの退縮が認められ、新たなpatchで心房中隔の再構築を行った。手術後に残存病変を示した症例はなかった。 結論:第3世代dual source CTによる3D画像は、被曝線量を減らすことができ、心内構造の詳細な認識に有用であった。