[P18-6] 遠隔期における経皮的心房中隔欠損閉鎖術後の左房機能―施行時年齢の影響―
Keywords:Atrial septal defect, Device closure, LA function
【目的】
2次孔型心房中隔欠損に対する経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASO)術後遠隔期における左房機能に施行時年齢が与える影響について,3Dエコーを用いて検討すること.
【対象】
ASO後観察期間が3年以上の,施行時年齢7才以下の小児 13名(平均6.5歳)と40歳以上の成人7名(平均53歳).小児コントロールとして,正常心構造(Normal)10名(エコー時年齢平均12歳).
【方法】
使用装置はARTIDA (Cannon MS).心尖部四腔断面から4心拍加算で左房の3D Volume dataを取得し,解析ソフト(UltraExtend)を用いて左房の体表面積当たりの3D volume (LAVI)と伸展性(Dis), さらにReservoir strain (ε;R), Conduit strain (ε;CD), Contractile strain (ε;CT)を計測した.心機能の指標は同時に記録されたデータから,心エコー図学会等の指針に従って計測した.統計処理は,多群間比較をKruskal-Wallis検定,対応のある2群間比較をWilcoxon符号付順位和検定を用いて有意差を求めた.
【結果】
1. 小児・成人例共に遠隔期に左室容積は拡大し,LVEFに変化はなかった.
2.遠隔期の最小LAVIは小児例では正常であったが,成人例で拡大していた(p=0.077).Disは小児例では正常であったが,成人例は低下していた(p=0.02).
3.ε;Rは,小児例で閉鎖前は正常と差がなかったが,閉鎖後に正常より低下していた(p=0.033).成人例はより低下傾向であった(p=0.064).ε;CTは閉鎖後小児例,成人例で差がみられなかったが,閉鎖前後で低下傾向であった(P=0.055). ε;CDは閉鎖後小児例では正常より低下傾向(p=0.071)となるが,成人例はさらに低下していた(p=0.017).
【結論】
Device閉鎖により小児,成人共にε;R, ε;CDは低下するが,成人では左房容積の拡大,左房の伸展性低下,ε;CDの低下がより大きく,正常に復しないために経皮的心房中隔欠損閉鎖術は若年のうちに施行することが,術後の左房機能の保持には重要であると考えられる.
2次孔型心房中隔欠損に対する経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASO)術後遠隔期における左房機能に施行時年齢が与える影響について,3Dエコーを用いて検討すること.
【対象】
ASO後観察期間が3年以上の,施行時年齢7才以下の小児 13名(平均6.5歳)と40歳以上の成人7名(平均53歳).小児コントロールとして,正常心構造(Normal)10名(エコー時年齢平均12歳).
【方法】
使用装置はARTIDA (Cannon MS).心尖部四腔断面から4心拍加算で左房の3D Volume dataを取得し,解析ソフト(UltraExtend)を用いて左房の体表面積当たりの3D volume (LAVI)と伸展性(Dis), さらにReservoir strain (ε;R), Conduit strain (ε;CD), Contractile strain (ε;CT)を計測した.心機能の指標は同時に記録されたデータから,心エコー図学会等の指針に従って計測した.統計処理は,多群間比較をKruskal-Wallis検定,対応のある2群間比較をWilcoxon符号付順位和検定を用いて有意差を求めた.
【結果】
1. 小児・成人例共に遠隔期に左室容積は拡大し,LVEFに変化はなかった.
2.遠隔期の最小LAVIは小児例では正常であったが,成人例で拡大していた(p=0.077).Disは小児例では正常であったが,成人例は低下していた(p=0.02).
3.ε;Rは,小児例で閉鎖前は正常と差がなかったが,閉鎖後に正常より低下していた(p=0.033).成人例はより低下傾向であった(p=0.064).ε;CTは閉鎖後小児例,成人例で差がみられなかったが,閉鎖前後で低下傾向であった(P=0.055). ε;CDは閉鎖後小児例では正常より低下傾向(p=0.071)となるが,成人例はさらに低下していた(p=0.017).
【結論】
Device閉鎖により小児,成人共にε;R, ε;CDは低下するが,成人では左房容積の拡大,左房の伸展性低下,ε;CDの低下がより大きく,正常に復しないために経皮的心房中隔欠損閉鎖術は若年のうちに施行することが,術後の左房機能の保持には重要であると考えられる.