第56回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(II)21(P21)
カテーテル治療1

指定討論者:赤木 禎治(岡山大学医学部・歯学部附属病院 循環器内科)

[P21-1] 当院におけるAmplatzer Septal OccluderとOcclutech Figulla Flex 2の比較

小島 拓朗, 小林 俊樹, 多喜 萌, 戸田 紘一, 連 翔太, 葭葉 茂樹, 住友 直方 (埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

キーワード:心房中隔欠損症, Amplatzer Septal Occluder, Occlutech Figulla Flex2

【背景】当院では、心房中隔欠損症 (ASD)に対し2005年8月からAmplatzer Septal Occluder (ASO)による閉鎖術を開始した。2016年3月からは、Occlutech Figulla Flex2 (FF2)も併用し現在に至っている。当院では基本的にはASOを使用し、Aortic rimが低形成な症例に対してはFF2を選択している。【目的・方法】当院でのASOおよびFF2症例について、患者背景や適応、治療成績、合併症などを後方視的に評価し、両者の安全性と有効性を比較する。【結果】2016年3月から2019年12月までの間に、当院で経皮的心房中隔欠損閉鎖術を行ったASO 29例、FF2 30例を対象とした。両群で患者年齢、性別、体格に有意差は認めなかった。一方、ASD径、肺体血流比 (Qp/Qs)はいずれもFF2群で有意に高値であった (ASD径;14.1±0.9mm vs 11.1±0.8mm、p=0.013、Qp/Qs;2.2±0.2 vs 1.6±0.1、p=0.002)。また、Aortic rimはFF2群で有意に低値であった (2.3±0.3mm vs 5.3±0.5mm、p<0.0001)。Superior rim、Posterior rim、IVC rimは両群間で有意差は認めなかった。ASD径に対するdevice径 (Device/ASD)は、FF2群の方が高値であった (1.09±0.01 vs 1.00±0.01、p<0.0001)。手技成功率は、ASO群、FF2群とも同等であった (100% vs 96.6%、p=0.49)。手技中の透視時間に有意差は認めなかった。FF2群のうち、留置不能例は1例で、Aortic rimとSuperior rimのいずれもが低形成の症例であった。合併症例はFF2群での大腿動静脈瘻の1例で、いずれの群においても留置手技関連の合併症は認めなかった。【結語】Aortic rimが低形成で比較的大きなASDは、FF2の良い適応であると思われる。Superior rimが低形成な症例は、今なおchallengingな症例である。両者をうまく使い分ける事が、より安全で有効な治療につながる。