The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(II)21(P21)
カテーテル治療1

指定討論者:赤木 禎治(岡山大学医学部・歯学部附属病院 循環器内科)

[P21-2] Amplatz ASD閉鎖術の左室拡張末期容積に対する影響

堀口 泰典1, 上田 秀明2, 矢先 諭3 (1.国際医療福祉大学 熱海病院 小児科, 2.神奈川県立こども医療センター 循環器科, 3.榊原記念病院小児循環器科)

Keywords:心房中隔欠損, アンプラッツASD閉鎖術, 左室拡張末期容積

(目的) アンプラッツASD閉鎖術(ASO)の左室拡張末期容積(LVEDV)のに対する影響を治療前から検討し報告する。(方法)二次孔欠損型ASDに対しASOを実施された4例を対象とした。心エコー図を用いてASO前後にLVEDVをTeichholz法により計測した。また、体表面積補正しLVEDViとして検討した。(結果)LVEDVは治療前42.5±15.3mlから治療後58.3±31.2mlへLVEDViは治療前31.4±9.0ml/m2から治療後42.3±19.1 ml/m2へと推移した。(各々t検定:P=0.076、0.069)LVEFは68±10.0%から71.8±6.1%と推移した。BNPを治療前後で測定できた3例全例でBNPは減少した。(22.4±24.8→13.6±16.7pg/ml)(考案)ASDでは左室前負荷が健常例より減量されLVEDVも小さいがASOにより本来の前負荷量となる。今回の検討ではそれを反映して、全例LVEDV・LVEDVi共増加した。(統計的には例数が少ないため有意差がでなかったが)それでもLVEDViは1例を除き、健常者の「正常値」(女性46男性50(福田ら))を下回っていた。しかし、BNPは治療前に比し減少し、LVEFも正常範囲内であった。これは急激な前負荷増加に対し心機能低下無く循環動態が順応した過程を示していると考えられる。一方、長期経過観察できた症例では10年後に健常者正常値を越えたことから、急性期を心不全無く乗り越えた症例でもLVEDViが正常化するには年余の時間が必要であると思われる。(結論)1)ASOにより左室拡張末期容積は増加する。2)心不全症状無く急性期を乗り越えても左室拡張末期容積が健常者と同等になるには年余の経過が必要である。