The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(II)21(P21)
カテーテル治療1

指定討論者:赤木 禎治(岡山大学医学部・歯学部附属病院 循環器内科)

[P21-3] ADO1離脱時のデバイス移動を予測する

阿部 忠朗1, 塚田 正範1, 馬場 惠人1, 小澤 淳一1, 沼野 藤人1, 齋藤 昭彦1, 星名 哲2, 塚野 真也2, 佐藤 誠一3 (1.新潟大学医歯学総合病院 小児科, 2.新潟市民病院 小児科, 3.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器内科)

Keywords:PDA, ADO1, 脱落

【背景】ADO1を離脱する際に反動でデバイスが大動脈側へ移動することがあり脱落例も報告されている。【目的】ADO1離脱時のデバイス移動の予測因子を調べること。【対象】2009年11月から2019年3月に新潟市民病院、2019年4月から2020年1月に新潟大学病院でADO1を留置した64例中、離脱時の透視画像が確認できた62例(女性68%、中央年齢4歳(2ヵ月-75歳))。【方法】ADO1離脱時の側面透視画像で離脱前後のデバイス移動距離(DM)、離脱直前のデバイスハブの突出(P)の有無、ロングシース先端からデバイスまでの距離(WD)、デリバリーワイヤとデバイスの角度(θ)を計測し、診療録から体格、PDA径、Qp/Qsを後方視的に調べ、DMを予測する因子を統計学的に検討した。単回帰、多重回帰分析、t検定を用いp<0.05を有意差ありとした。【結果】中央値(範囲)としてDM 1.6(0.2-5.0)mm、P有は26%、WD 10.9(0-35.4)mm、θ 45(8-88)度、身長 104(58-173)cm、体重 16.7(4.9-75.1)kg、PDA径 2.5(1.6-5.5)mm、Qp/Qs 1.4(1.0-4.4)であった。DMの予測因子としてt検定でP有(p=0.02)、単回帰分析でWD(p=0.001, R2=0.16)、θ(p<.0001, R2=0.26)、身長(p<.0001, R2=0.36)、体重(p<.0001, R2=0.30)、PDA径(p=0.0006, R2=0.18)、Qp/Qsは有意差がなかった。多重回帰分析ではWD、身長、体重、PDA径が有意な予測因子となり最も影響が強い因子は身長であった。【結論】体格が小さく、PDAが細く、離脱時にロングシースがデバイスに近い程、離脱時のADO1デバイス移動距離は大きい傾向があり脱落に注意が必要である。