[P24-1] 心外導管を用いたフォンタン手術後に下大静脈穿刺による肺静脈心房へのアクセスの可能性
Keywords:フォンタン手術, 下大静脈穿刺, カテーテル治療
背景心外導管を用いたフォンタン手術後に上室性不整脈で難渋する症例がある。経大動脈でのアクセスではカテーテル操作が難しく、アブレーションが不成功に終わることがある。心外導管を穿刺して肺静脈心房に到達する方法が報告されているが、フォンタン手術の遠隔期には導管が石灰化して穿刺ができない症例も存在する。そのような症例に対して心外導管の尾側の下大静脈を穿刺する報告がある。今回の研究の目的はフォンタン手術後短期間、長期間経過した症例で下大静脈穿刺で肺静脈心房にアクセスできるかをCTを用いて予測することである。方法対象は心外導管を用いたフォンタン手術後にCT撮像した患者。フォンタン手術後からCT撮像までの期間により短期間(60カ月未満)と長期間(60カ月以上)に分類した。CT撮像時の年齢、身長、下大静脈穿刺が可能と推定した割合を二群で検討した。下大静脈穿刺が可能とは、心外導管と肺静脈心房が10mm以下の距離で接している、その間に冠動脈などが存在しないことと定義した。結果フォンタン患者109人のうち78人、129画像を対象とした。短期間、長期間でCT時の年齢は5.4歳、16.9歳、フォンタン手術からの年月は94カ月、130カ月、身長は98cm、148cmであった。短期間では83画像中8画像(9.6%)、長期間では46画像中14画像(30.4%)で下大静脈穿刺でのアクセスが可能と予測された。結語下大静脈穿刺での肺静脈心房へのアクセスはフォンタン後長期間経過している症例では選択肢となる可能性がある。しかし残りの7割は導管穿刺が必要であり、その準備を行い手技に臨む必要がある。