[P24-3] 内胸動脈コイル塞栓におけるPenumbra packing coilの有効性
Keywords:coil embolization, packing coil, 内胸動脈
【はじめに】体肺側副血行(APCA)のコイル塞栓において内胸動脈(IMA)全体の塞栓が必要となる症例が存在するが、しばしば多数のコイルが必要となり、手技の長時間化や医療経済的にも問題となる。Penumbra packing coil(以下PC)は最長60cmと長く、tightなpackingが可能であり、長い血管の塞栓に有用と考えられた。【症例1】1歳男児、10.8kg。TCPC術前のRIMAからのAPCA認めた。側枝の塞栓は不能で、近位3.5mm,遠位2.2mmのRIMAにRuby 4mmx15cm留置後、PC 30cm,45cm,15cm,15cmの計4個留置、MICRUSFRAME 5mmx12cmを2個留置して、良好な塞栓を得た【症例2】11ヶ月男児。PA/VSD,Rastelli術後1ヶ月にRIMAからのAPCAによる心不全に対しコイル塞栓を計画した。RIMAのほぼ全長からAPCAあり、RIMA全体を側戦する計画とした。近位3.1mm,遠位2.1mmのRIMAに、症例1の経験を踏まえ、アンカーコイルは留置せず、PC 60cm,45cmの計2個を留置した。完全閉塞が得られなかったため、Ruby 4mmx15cm 2個を追加留置し、良好な塞栓を得た。PC 60cmで26mm程度の長さの充填が可能であった。【まとめ】IMAの塞栓においてアンカーリングはさほど気にする必要はなく、充填できる距離が重要となる。PCはキックバックもほぼなく、乳幼児の細い血管においても十分充填可能で,従来のコイルに比べて、安全に長い距離の塞栓が可能であった。まだ経験が少ないが、PCはIMAの塞栓において、手技時間の短縮やコイル留置本数の削減において有用と考えられた。