[P25-5] 大動脈弁狭窄(AS)に対する経皮的大動脈弁形成術(PTAV)の治療成績
キーワード:PTAV, AS, AR
【背景】ASに対するPTAVの有効性は確立されているが、将来的に外科的治療が必要となる症例も少なくない。【目的】当院におけるPTAVの治療成績と外科的治療が必要となる症例の予後規定因子について明らかにすること。【対象と方法】2001年1月から2018年12月までにPTAVを施行した14症例を対象とした。1例のみ1ヶ月間隔で2回PTAVを施行していたが、初回は対象から除外した。PTAV後に外科的治療を要した群をA群(6例)、要さなかった群をB群(8例)として月齢や体重、術前・術後の大動脈弁での収縮期圧較差(prePG、postPG)、術前・術直後の大動脈弁逆流(AR)の程度、バルーン/大動脈弁輪径などについて比較検討した。【結果】PTAVを施行した14症例は生後6ヶ月未満であり、全例でpostPGは改善した。PTAV施行時に1例で蘇生を要したが、それ以外の合併症は認めなかった。比較検討した項目のうち、PTAV時の体重以外では有意差はなかった。A群の全例でPTAV後のARの進行が外科的治療の原因となっていた。また、大動脈弁上狭窄を合併していた症例が2例あり、いずれもA群であった。【考察】A群の術中所見では二尖弁が多かったが、弁形態によって裂開しやすい部位が異なることがARの原因となる可能性がある。バルーン/大動脈弁輪径に有意差は認めなかったが、二尖弁の場合には小さめのバルーンを選択するなどの弁形態に合わせたサイズ選択によりPTAV後のARを減少させることができるかもしれない。【結語】PTAVの治療成績は比較的良好であるが、約半数でARにより外科的治療を要しておりARの予防が重要な課題である。また、弁形態や大動脈弁上狭窄が予後規定因子となる可能性も示唆された。