The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

集中治療・周術期管理

デジタルオーラル(II)34(P34)
集中治療・周術期管理3

指定討論者:深江 宏治(熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科)

[P34-3] 2心室修復術前の肺動脈絞扼術後のNO吸入療法の検討

北 翔太1, 近田 正英1, 宮入 剛1, 麻生 健太郎2, 水野 将徳2, 桜井 研三2, 中野 茉莉恵2 (1.聖マリアンナ医科大学 心臓血管外科, 2.聖マリアンナ医科大学 小児科)

Keywords:NO吸入, 肺動脈絞扼術, 肺高血圧発作

(はじめに)肺動脈絞扼術は、2心室修復術の前に、現在でも低出生体重児、染色体異常、消化器疾患の合併などの理由で施行されることがある。絞扼術後、低酸素血症や肺高血圧発作などに対して、NO吸入をすることがある。今回我々は、過去3年間にNO吸入を施行した、2心室修復前の肺動脈絞扼術症例の検討を行ったので報告する。(対象)過去3年間に2心室修復術前に肺動脈絞扼術を施行し、術後NO吸入を施行した5例で検討を行った。疾患は、心室中隔欠損症が4例、完全房室中隔欠損症が1例であった。染色体異常は4例に認め、2例がDown症候群、18トリソミーが1例、CATCH22症候群が1例であった。年齢は日齢23日から4ヵ月で、体重は1.5-4.1kg(中央値3.5kg)であった。(結果)NO吸入は、手術後1時間後から51時間後(中央値12時間後)に開始されており、最高吸入濃度は、5-20ppmであった。吸入継続期間は、29時間から9日間(中央値36時間)であった。3例は低酸素血症に対して使用した。1例は抜管後の肺高血圧発作に対して使用した。1例は絞扼がきつく、心不全となったため使用したが、絞扼の調節のため翌日再手術が必要となった。3例が抜管後まで使用され、2例は挿管中のみの使用であった。在院死亡はなく、全例軽快退院した。(結語)2心室修復前の肺動脈絞扼術後の、肺血流が不安定な時期の肺血流の調節にNO吸入療法は、有効であると思われた。