The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラル(II)45(P45)
術後遠隔期・合併症・発達2

指定討論者:島田 勝利(京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

[P45-3] 当院におけるFontan術後中期遠隔期成績の検討

城尾 邦彦1, 鈴木 理大1, 堀 愛莉花2, 中島 光一朗2, 西原 卓宏2, 八浪 浩一2, 中村 紳二2, 塩瀬 明3 (1.熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科, 2.熊本市立熊本市民病院 小児循環器内科, 3.九州大学病院 心臓血管外科)

Keywords:Fontan, 術後遠隔期, FALD

【目的】Fontan術後中期遠隔期成績を後方視的に検討する。【方法】1996年から2019年までに当院でFontan手術を行った87症例のうち、Extracardiac Conduit法によるstaged Fontan症例68例を対象とし、Fontan関連イベント(死亡・re-intervention・合併症)、身体・社会活動レベル、心臓カテーテル検査による血行動態指標、腹部エコー検査所見によるFontan-related liver disease (FALD)有病率について検討を行った。【結果】Fontan手術時年齢3.8±1.4歳、体重12.9±1.9kg、fenestration併施が4例であった。観察期間中央値8.3 (0.2-17.5)年で病院死亡1例(POD85、間質性肺炎)、遠隔死亡なし、10年生存率は98.6%であった。Re-interventionは再手術1例(共通房室弁形成術)、PMI1例、カテーテル治療11例(肺動脈狭窄に対するバルーン拡張術6例、側副血行路に対する塞栓術5例)であった。蛋白漏出性胃腸症3例、不整脈6例、血栓・塞栓症0例を認め、Fontan関連イベント回避率(5/10年)は80.4/75.7%であった。最終follow up時の身体活動度はNYHA分類I度58例、II度8例、III度1例であり、全症例で就労、就学(支援学級を含む)が行われていた。Fontan術後直近の心臓カテーテル検査(n=67、中央値5.6年)では、CVP: 10.7±1.9 mmHg、PAI: 212±59mm2/m2、SaO2: 94.5±2.5%、SVEDP: 6.6±2.1mmHg、CI: 3.0±0.6L/min/m2であり、良好なFontan循環が維持されていた。腹部エコー検査(n=38、中央値9.8年)ではLCやHCCは認めなかったが18例で有意所見を認め、FALD回避率(5/10/15年)は94.4/50.3/19.1%であった。【考察】当院におけるFontan手術後の術後中期遠隔期成績は良好であり、発達に応じた身体社会的活動が概ね維持されていた。一方、腹部エコー評価によるFALD有病率は高く、症例に応じ生検を含めた評価が必要と考えられた。良好なFontan循環の維持のため、積極的なmedicationやinterventionによる管理の継続が重要である。