[P45-2] 当院で施行したFontan手術患者のfenestrationの自然歴
Keywords:Fontan circulation, fenestration, fenestrated Fontan
【背景】Fontan手術におけるfenestration（以下F）は、中心静脈圧を下げ、種々の合併症を予防する可能性がある。当院では全例fenestrated Fontan手術を施行しているが、自然歴は不明な点が多い。【目的】当院でのFontan手術患者のFの自然歴を検討し、更なる管理向上の改善点がないかを探ること。【方法】当院で2004年7月から2018年9月までにfenestrated Fontan手術を行った32例を対象に、術後初回カテーテル検査時のFの閉鎖の有無を後方視的に検討した。Fの開存群（F群）と閉鎖群（N群）に分けて、手術時月齢、手術時体重、F径、術後初回カテーテル検査までの日数、術後カテーテル検査での結果（CVP、PAP、PCWP、CVP-PCWP、PAI、Rp、Qp/Qs、SaO2、BNP）の各項目で比較検討を行った。【結果】Extracardiacが30例、intracardiacが1例、Lateral tunnelが1例、導管サイズは、1例が14mm、他は全て16mmであった。術後の抗凝固療法に関しては、全例がアスピリンもしくはチクロピジンと、ワーファリンで管理されていた。F群は9例、N群は23例であった（開存率28％）。F群とN群で、手術時月齢、手術時体重、術後初回カテーテルまでの日数、CVP-PCWP、PAI、Rp、Qp/Qs、SaO2、BNPで有意差は認めず、F群のCVPとPAPとPCWPが有意差をもって高かった（F群14.1±3.3mmHg：N群10.8±2.2mmHg、N群13.5±3.3：N群9.8±2.3mmHg、F群9.4±4.7mmHg：N群5.1±1.9mmHg、P＜0.05）。F径については、F群で大きい傾向を認めたが有意差は認めなかった（F群3.5±0.6mm：N群3.2±0.6mm、P＞0.05）。【考察】CVPやPCWPが高いことは、導管や心内の内圧が高いことを示唆しており、Fの開存にはF径や圧較差ではなく、物理的な要因が関与している可能性がある。【結語】Fの開存には、導管や心内の内圧が関係している可能性がある。