The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラル(II)48(P48)
術後遠隔期・合併症・発達5

指定討論者:福嶌 教偉(国立循環器病研究センター 移植医療部)

[P48-4] ファロー四徴症術後遠隔期における大動脈基部拡張の形態的特徴

土井 大人1, 宗内 淳1, 渡邉 まみ江1, 杉谷 雄一郎1, 松岡 良平1, 江崎 大起1, 落合 由恵2, 藤本 智子2 (1.九州病院 小児科, 2.九州病院 心臓血管外科)

Keywords:ファロー四徴症, Aortopathy, BMI

【背景】ファロー四徴症(TOF)心内修復術後の遠隔期問題点として大動脈基部拡大がしられ、15%に認められる。肺動脈閉鎖、先行体肺短絡術がそのリスク因子とされ、右左短絡による大動脈血流増加が要因の一つとされる。一方で肥満や過体重は心血管リスクの一因であり、成人先天性心疾患において重要な問題である。【目的】TOF術後の大動脈基部拡張と体型(BMI)の関連を検討する。【対象と方法】TOF心内修復後評価として心臓MRI(CMR)を行った25例(男14例)を対象とした。CMR画像から大動脈形態(弁輪径、Valsalva洞径、sinotubular junction(STJ)径、上行大動脈径)とBMIや血圧などとの関連を検討した。【結果】CMR時年齢中央値16(3-28)歳、術後経過年数14(0-29)年であった。TOF19例、肺動脈閉鎖5例、肺動脈弁欠損1例で、右側大動脈弓7例、22q.11.2欠失症候群5例。先行体肺動脈短絡術18例で、弁輪温存型修復:4例、trans-annular patch修復(REV法を含む):18例、Rastelli術:3例で、修復術時平均22(0.5-102)か月、平均体重9.6(2.5-17.2)kgであった。CMR時身長153.7(83-175)cm、体重48(9-71)kg、BMI18.4(13.1-26.4)kg/m2、血圧109/63(83-139/50-86)mmHgで、BMI>25kg/m2は1例だった。左室容積から算出した心拍出量4.4(1.4-6.5)L/minで、左室拡張末期容積111.8(29.9-178.4)mL、大動脈弁輪径24.7(14.1-32.5)mm、Valsalva洞径33.1(18.8-42.3)mm、STJ径26.4(13.8-37.3)mm、上行大動脈径24.4(16.3-35.7)mmで、Valsalva洞径(r=0.49)、STJ(r=0.48)、上行大動脈径(r=0.48)がBMIと相関していたが、弁輪径との相関はみられなかった。STJ/弁輪径比とBMIも正相関(r=0.52,p<0.01)があり、大動脈基部洋梨状の拡張をする傾向があった。【結語】TOF術後患者においては大動脈基部の洋梨状拡張はBMIと関連しており、遠隔期における生活習慣の指導や体重管理が重要となると考えた。