[P54-1] 透析管理中のBDG術後心不全患者に対する治療方針
キーワード:成人先天性心疾患, 心不全, 透析患者
症例;43歳男性診断;右室低形成、心室中隔欠損症、肺動脈閉鎖、グレン手術後
経過;生後7ヶ月時にチアノーゼを指摘され当科初診。2歳時に左original BTS術を施行された。9歳時にBTS追加またはuniventricular repairを提案されるも通院を自己中断した。20歳で通院を再開、21歳時の心カテで右肺動脈閉塞を指摘され、univentricular repairも心内修復術も不可能と判断された。経過中、チアノーゼが増強したため、23歳時にBTSに対してPTAを施行した。効果不十分であったが、この時の検査で右肺動脈がnon confluentで存在していると判明したため、24歳時に右modified BTS、肺動脈形成術を施行された。 術後、HOTを導入(1L/min)しSpO2は90%まで上昇した。28歳時に心カテを施行した結果、RPAp(13)mmHg, Rp 0.9単位であり、同年BDGを施行。術後はSpO2はromm airで85~90%に上昇した。しかし、34歳頃からは安静時80%前後、労作時50~60%と低下するようになり、NYHAはII-III度、LVEFは40~45%、BNPは100~600pg/mLと増減を繰り返し、35歳からβ-blockerを導入した。腎機能は23歳頃からeGFRが50mL/分/1.73m2と低下し、33歳時eGFR<20mL/分/1.73m2で末期腎不全の状態に陥り、34歳時より透析を導入している。本症例は両親が早くに他界し、近親者は姉のみで金銭的にも頼れず、フルタイムの就労を必要としている。さらに夜間透析を近医クリニックで行っているため綿密な水分管理が困難で心不全増悪因子の一つとなっている。腎移植は姉からの提供は同意が得られず、死体腎移植の待機中である。42歳時に心カテで、PAp (13)mmHg、Qp 1.0~2.1L/min/m2、Rp 1.9~4.0単位、LVEF 54%であり肺血管拡張薬を導入した。
論点;心不全コントロール、QOL向上のためにチアノーゼ改善が望ましい。そのためには内科的治療、外科的治療のいずれを選択するべきか。また外科的治療で可能な手術はなにか?
経過;生後7ヶ月時にチアノーゼを指摘され当科初診。2歳時に左original BTS術を施行された。9歳時にBTS追加またはuniventricular repairを提案されるも通院を自己中断した。20歳で通院を再開、21歳時の心カテで右肺動脈閉塞を指摘され、univentricular repairも心内修復術も不可能と判断された。経過中、チアノーゼが増強したため、23歳時にBTSに対してPTAを施行した。効果不十分であったが、この時の検査で右肺動脈がnon confluentで存在していると判明したため、24歳時に右modified BTS、肺動脈形成術を施行された。 術後、HOTを導入(1L/min)しSpO2は90%まで上昇した。28歳時に心カテを施行した結果、RPAp(13)mmHg, Rp 0.9単位であり、同年BDGを施行。術後はSpO2はromm airで85~90%に上昇した。しかし、34歳頃からは安静時80%前後、労作時50~60%と低下するようになり、NYHAはII-III度、LVEFは40~45%、BNPは100~600pg/mLと増減を繰り返し、35歳からβ-blockerを導入した。腎機能は23歳頃からeGFRが50mL/分/1.73m2と低下し、33歳時eGFR<20mL/分/1.73m2で末期腎不全の状態に陥り、34歳時より透析を導入している。本症例は両親が早くに他界し、近親者は姉のみで金銭的にも頼れず、フルタイムの就労を必要としている。さらに夜間透析を近医クリニックで行っているため綿密な水分管理が困難で心不全増悪因子の一つとなっている。腎移植は姉からの提供は同意が得られず、死体腎移植の待機中である。42歳時に心カテで、PAp (13)mmHg、Qp 1.0~2.1L/min/m2、Rp 1.9~4.0単位、LVEF 54%であり肺血管拡張薬を導入した。
論点;心不全コントロール、QOL向上のためにチアノーゼ改善が望ましい。そのためには内科的治療、外科的治療のいずれを選択するべきか。また外科的治療で可能な手術はなにか?