The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

成人先天性心疾患

デジタルオーラル(II)56(P56)
成人先天性心疾患4

指定討論者:石野 幸三(昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

[P56-2] 小児期発症の心疾患の終末医療の現状

森 雅啓, 青木 寿明, 橋本 和久, 廣瀬 将樹, 松尾 久実代, 石井 陽一郎, 高橋 邦彦, 萱谷 太 (大阪母子医療センター 小児循環器科)

Keywords:終末期医療, 緩和医療, 心不全

【背景】先天性心疾患の治療成績の向上に伴い成人期に到達する患者が増加している。しかしそれに伴い遠隔期の遺残症、続発症も増加し、青年期に死亡にいたる症例もある。若年での心不全の終末期の緩和医療の報告は少なく、今回小児期発症の心疾患の死亡原因、終末期医療の現状について検討した。
【方法】2000年から2019年に死亡した症例を対象とした。心疾患の種類、手術、死因、死亡前のNYHA分類、最終の心不全入院の期間、入院時の緩和医療の詳細について後方視的に検討した。
【結果】22人(女性10人)が死亡した。死亡時の連玲は中央値15歳(10-34歳)。単心室循環は7人、二心室循環は15人であった。3例は心筋症であった。心臓関連死12例(55%)、それ以外は心臓以外の原因での死亡であった。心臓関連死は心不全8例、不整脈4例、それ以外は脳症、気道閉塞、腸閉塞、感染症であった。死亡前、NYHA分類2、3は27%、NYHA4は9%であった。死亡前の1年間に2回以上の心不全入院をしたものは4例、その入院期間の最長は787日であった。緩和医療は心不全8例中3例に対して行った。麻薬、ベンゾジアゼピン系の使用はなかった。患者本人へのインフォームドコンセントは1例を除き行えていない。
【結語】心臓関連死は約半数みられた。当院における若年患者の終末期医療はまだ手探りの状態である。