[P58-3] 高用量nifedipine内服下でコントロール良好なIPAHの1例
キーワード:IPAH, 高用量, nifedipine
【背景】急性肺血管反応性試験(AVT)陽性の特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)ではカルシウム拮抗薬(CCB)が治療選択となりうるが,AVT陽性例はわずか10%程度で,長期的なCCB responderはさらに少ないとされている.
【症例】16歳女性.5歳時に動悸,息切れあり,NYHA IIIのIPAHと診断した.初回カテーテル検査 (NO負荷前→NO負荷後(以下同様)):mean PAP (60)→(24) mmHg,PAWP (7) mmHg,Rp 15.1→3.9 U・m2,CI 3.5→4.4 L/min/m2(以降単位略).AVT陽性と診断し,sildenafil,beraprost,nifedipine 20 mg/日を開始,以降sildenafil→tadalafilに変更,nifedipine 30 mg/日に増量した.13歳時カテーテル検査:mean PAP (41)→(16),Rp 11.3→2.6,CI 3.1→3.8.nifedipineによる歯肉肥厚を認め,低血圧のリスクや肺血管のreverse remodeling作用がない点も考慮しnifedipineを減量する方針となり,ambrisentanを導入,beraprost→selexipagへ変更,nifedipine 30→15 mg/日に減量した.14歳時カテーテル検査:mean PAP (28)→(12),Rp 4.9→1.4,CI 4.2→3.7.selexipag有効と判断したが,増量に伴い頭痛,顎痛,下痢を認め漸減中止,nifedipine 15→90 mg/日まで漸増した.16歳時カテーテル検査:mean PAP (24)→(21),Rp 4.3→2.7,CI 3.2→3.3.
【考察】一旦減量したCCBの再増量を図り,高用量nifedipine内服下で肺動脈圧は正常化した.診断時から11年が経過しているが依然CCB responderであり,CCBを主軸とした治療継続が妥当と考えられる.
【結語】稀だが本症例のように長期的にCCBが著効する例もあるため,AVT陽性例に対しては高用量投与を含めたCCBの効果について十分に検討することが重要であると考えられる.CCBの至適用量や他剤との併用については今後検討が必要である.
【症例】16歳女性.5歳時に動悸,息切れあり,NYHA IIIのIPAHと診断した.初回カテーテル検査 (NO負荷前→NO負荷後(以下同様)):mean PAP (60)→(24) mmHg,PAWP (7) mmHg,Rp 15.1→3.9 U・m2,CI 3.5→4.4 L/min/m2(以降単位略).AVT陽性と診断し,sildenafil,beraprost,nifedipine 20 mg/日を開始,以降sildenafil→tadalafilに変更,nifedipine 30 mg/日に増量した.13歳時カテーテル検査:mean PAP (41)→(16),Rp 11.3→2.6,CI 3.1→3.8.nifedipineによる歯肉肥厚を認め,低血圧のリスクや肺血管のreverse remodeling作用がない点も考慮しnifedipineを減量する方針となり,ambrisentanを導入,beraprost→selexipagへ変更,nifedipine 30→15 mg/日に減量した.14歳時カテーテル検査:mean PAP (28)→(12),Rp 4.9→1.4,CI 4.2→3.7.selexipag有効と判断したが,増量に伴い頭痛,顎痛,下痢を認め漸減中止,nifedipine 15→90 mg/日まで漸増した.16歳時カテーテル検査:mean PAP (24)→(21),Rp 4.3→2.7,CI 3.2→3.3.
【考察】一旦減量したCCBの再増量を図り,高用量nifedipine内服下で肺動脈圧は正常化した.診断時から11年が経過しているが依然CCB responderであり,CCBを主軸とした治療継続が妥当と考えられる.
【結語】稀だが本症例のように長期的にCCBが著効する例もあるため,AVT陽性例に対しては高用量投与を含めたCCBの効果について十分に検討することが重要であると考えられる.CCBの至適用量や他剤との併用については今後検討が必要である.