The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

デジタルオーラル

川崎病・冠動脈・血管

デジタルオーラル(II)66(P66)
川崎病・冠動脈・血管2

指定討論者:梶野 浩樹(網走厚生病院 小児科)

[P66-3] 川崎病に4度罹患した女児

森 啓充, 馬場 礼三 (愛知医科大学 医学部 小児科)

Keywords:川崎病, 頻回, 再発

【背景】川崎病の再発例は第25回川崎病全国調査では4.5%であった。しかし頻回再発例は稀である。今回、川崎病を4回罹患した患者を経験したので報告する。【症例】5歳、女児【病歴】3歳9か月、4歳、5歳1か月のときに川崎病に罹患し治療した既往あり。2回目は不全型(主要症状4/6項目)の診断であった。今回は入院2日前から発熱、咽頭痛出現したため近医受診。溶連菌迅速検査陽性であったため、CFDN処方された。しかし解熱傾向なく入院前日(第2病日)から頚部リンパ節腫脹、眼球結膜の充血、体幹の発疹を認めたため入院当日(第3病日)に近医受診し当院紹介、入院となった。入院時の血液検査結果はWBC 25200/μl、CRP 15.93mg/dl、BNP 21.1pg/ml、Dダイマー 1.48μg/mlであった。入院当初は頚部リンパ節炎としてCTXの投与を行ったが解熱得られず。入院翌日(第4病日)に口唇紅潮も認めるようになり、川崎病主要症状5項目を満たしたため川崎病と診断変更。入院2日目(第5病日)からIVIGと高容量アスピリン投与を開始した。入院3日目(第6病日)には解熱し川崎病の急性期症状も改善。その後も再発熱を認めず、血液検査結果も改善したため入院9日目(第11病日)に退院、外来経過観察となった。経過中に冠動脈の輝度亢進、瘤形成等の異常は認めなかった。退院後、第19病日に行った血液検査ではCRPは正常化していた。しかし血沈は41mmと依然高値であった。【まとめ】川崎病頻回再発は稀と言われている。また自己免疫性疾患の中には川崎病と似た症状を呈するものも存在し、当初は川崎病と診断され治療を行われたものの最終的にはJIAと診断された症例も報告されている。本症例も川崎病以外の疾患の可能性も考慮しながら経過観察する必要があると考える。発表当日は金沢大学に依頼したサイトカインプロファイル解析の結果も含めて報告する。