The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

川崎病・冠動脈・血管

デジタルオーラル(II)68(P68)
川崎病・冠動脈・血管4

指定討論者:二瓶 浩一(東邦大学医療センター大橋病院 小児科)

[P68-4] 当院における重症川崎病に対するIVIG・ステロイド初期併用療法後のPSL早期漸減法

鈴木 奈都子 (武蔵野赤十字病院 小児科)

Keywords:川崎病, ステロイド, 再燃

【背景】RAISE studyの重症川崎病に対するIVIG+PSL初期併用療法を基に、PSLの投与期間を短縮する方法が試みられているが、有用性・安全性を検討した報告は少ない。【目的】当院におけるPSL漸減法の有用性・安全性を検討する。【方法】当院では、2015年以降、小林スコア5点以上の症例に対して、IVIG+PSLあるいはIVIG+IVMP1回+PSL後療法で初期治療を開始し、CRP0.5mg/dl以下になった日からPSLを漸減し、1mg/kg3日間、0.5mg/kg3日間で中止する方針としている。これらの症例を対象とし、漸減開始後の再燃例、有害事象例の検討をする。【結果】対象は90例で、年齢は2ヶ月から9歳(中央値2歳7ヶ月)。治療開始の中央値は4病日で、PSL73例、IVMP17例をIVIGに併用した。初期治療に不応だったのは21例。PSLの減量は7から16病日(中央値10)に開始した。漸減後6日間で中止したのは82例で、2日以上延長したのは2例だった。漸減開始後に再燃し追加治療を行なったのは3例(3.3%)だった。副腎不全例は認めなかった。冠動脈病変は、巨大瘤1例、一過性拡張2例だった。他の有害事象として、インフルエンザ罹患1例、急性中耳炎罹患1例を認めた。【考察】漸減開始後の再燃率は3.3%と低かった。巨大瘤を合併した1例は、15病日にPSL漸減を開始しており、対象の中央値が10病日だったのに対して遅かった。【結論】我々のプロトコールのPSL早期漸減法は概ね有効であったが、炎症の消退に日数を要する例には、適切な追加治療を行なっていくことが肝要であると思われた。