The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(II)81(P81)
外科治療3

指定討論者:岡 徳彦(群馬県立小児医療センター 心臓血管外科)

[P81-3] ファロー四徴症に対する積極的な一期的心内修復術の妥当性の検討

村上 優, 鎌田 真弓, 小坂井 基史, 櫻井 寛久, 野中 利通, 櫻井 一 (中京病院)

Keywords:ファロー四徴症, 外科治療, 中期成績

【背景】体肺シャント術は術後ショック等の重大な合併症の可能性があり、当院では近年、ファロー四徴症(TF)に対し、体肺シャントを回避する目的で月齢3ヶ月、体重5kgを超える場合は一期的心内修復術(ICR)を考慮している。【方法】当院にてTF(DORV+PS含む)に対して2011年以降に初回介入を行なった91例を対象とし、治療成績について診療録を用いて後方視的に検討を行った。【結果】診断はTF 63例、DORV+PS 28例。初回姑息術は体肺シャント25例、右室流出路ステント3例。シャント手術は月齢中央値2.1ヶ月(0.3ー11.7ヶ月)、体重は中央値4.5kg(1.8ー7.8kg)で施行。合併症は術後ショック1例、シャント閉塞3例。死亡例はなく、術後中央値9.3ヶ月(0.5ー16.5ヶ月)でICRに至った。ICRは月齢中央値11.4ヶ月(1.3ー205.9ヶ月)、体重中央値7.8kg(3.5ー47.2kg)で施行。右室流出路再建は弁輪温存が65例(71.4%)。フォローアップ期間は中央値2.7年(0.0ー8.4年)で、死亡例はなく、再手術を3例認めた(右室流出路狭窄2例、心室中隔残存短絡1例)。術後カテーテル介入が13例あり、11例が末梢肺動脈狭窄への介入であった。再手術回避率は1年、3年でそれぞれ98.6%、98.6%、再介入回避率は1年、3年でそれぞれ84.6%、84.6%。初回介入を行った時期を2016年まで(E群)と2017年以降(L群)に分け比較すると、E群、L群で体肺シャントは36.5%、7.1%(p=0.004)でL群が優位に少なく、一期ICRの症例ではICR時の体重5kg台が1例、4例(p=0.0149)でL群が優位に多かったが、弁輪温存は73.0%、67.9%で優位差なし。再手術回避率は1年でそれぞれ98%、100%で有意差なく、再介入回避率は、1年でそれぞれ94.5%、76.0%(p=0.06)で、E群で多い傾向だが有意差はなし。【結語】当院の近年の治療方針は、術後両側肺動脈狭窄に対するカテーテル介入が多い傾向だったが、生存、再手術回避は以前と変わらず、シャント術の合併症が回避でき、妥当であると考えられた。