The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(II)87(P87)
外科治療9

指定討論者:太田 教隆(愛媛大学大学院医学系研究科 心臓血管呼吸器外科)

[P87-1] 胸骨裂を合併した肺動脈閉鎖症にRastelli手術を施行した4歳男児の一例

近藤 佑樹1, 落合 由恵1, 松田 健作1, 藤本 智子1, 馬場 啓徳1, 渡邉 まみ江2, 宗内 淳2, 徳永 滋彦1 (1.九州病院 心臓血管外科, 2.九州病院 小児科)

Keywords:先天性心疾患, 胸骨裂, 肺動脈閉鎖症

<症例>胸骨裂を合併する先天性心疾患に対して正中切開での手術の症例報告は少なく一定の見解がないのが現状である。胸骨裂を合併した肺動脈閉鎖症に対してRastelli手術を経験したので報告する。出生時の経胸壁心エコー検査でファロー四徴症、肺動脈閉鎖症、動脈管開存症と診断された。また、胸骨裂合併に伴う著明な陥没呼吸により呼吸障害となったため挿管され、44日間挿管管理となった。胸骨裂に対する正中切開を回避するため左側開胸での左BTシャント術(4 mm)、動脈管結紮術を施行した。術後2日目に抜管し経過良好で外来フォローとなった。その後4歳、11.6kgでRastelli手術となった。胸骨裂は胸骨柄の分離、胸骨体の完全欠損(左右の肋軟骨は癒合)であり胸骨切開に注意を要した。3弁付きGORE-TEXグラフト16 mmを選択しRastelli手術施行した。胸骨はワイヤー4本(マツダステンレスワイヤー直径0.8mm)で一期的に閉創可能であった。術後1日目に抜管でき、胸骨の動揺もなく正中創の治癒は良好であった。術後の心臓カテーテル検査では右室圧は30/4mmHgと良好な結果であった。<結語>胸骨裂を合併した肺動脈閉鎖症の4歳男児に対してRastelli手術施行し、合併症なく経過することができた。本症例を文献的考察を踏まえて報告する。