The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

デジタルオーラル多領域専門職部門(I)03(TRO03)

指定討論者:田中 美奈子(京都府立医科大学 小児医療センター)

[TRO03-1] 循環器内科外来における高度医療セクレタリー配置による効果および臨床的役割

田中 祥子1, 上田 秀明2, 柳 貞光2 (1.神奈川県立こども医療センター 医療情報管理室, 2.神奈川県立こども医療センター 循環器内科)

Keywords:医師事務作業補助者, 外来診療, チーム医療

【背景】医師事務作業補助者の使命は、医師の事務的業務を支援することで医師が診療業務に専念できる環境を確保し、医療の質向上と病院運営の全体に資することである。当院では2015年、高度医療セクレタリー(以下、MS)を導入。MSは特定の診療科、医師に配属され、高度なレベルの業務遂行が可能で、主に外来診療時に同席し、診療記録の代行入力、医師の指示のもとオーダー入力も行う。また複雑な内容やカルテでは伝えきれない内容は、関連部門や該当職種へ直接伝えている。【目的】循環器内科外来でのMS導入効果の検討。【方法】1.MS導入前後の診療録文字数を電子カルテの記録から後方視的に検証。2.外来看護師、検査技師、ソーシャルワーカー、受付クラークなど12名を対象にMS導入効果に対するアンケート調査を実施し、分析を行った。【結果】1.A医師の診療録文字数の2か月の平均は導入前(患者予約数333名)291文字、1年後(患者予約数356名)308文字、2年後(患者予約数362名)334文字、3年後(患者予約数325名)333文字と増加。B医師の診療録文字数の2か月の平均は導入前(患者予約数272名)240文字、1年後(患者予約数255名)377文字、2年後(患者予約数240名)368文字、3年後(患者予約数255名)373文字と増加。また母子手帳から、幼少時の身長・体重・頭囲の実測値や予防接種歴を入力。2.アンケート調査の結果は、カルテ内容が見やすくなった9名、やや見やすくなった3名。患者情報を共有しやすくなった9名、やや共有しやすくなった3名。医師に対する要望を出しやすくなった8名、患者待ち時間の短縮7名、診療がスムーズになった7名。【考察と結論】MS配置後、診療録文字数の増加、患者背景や発達に関する記録の充実により患者状態の把握がスムーズとなり外来診療に貢献できた。また、客観的立場でチーム連携の隙間に関わり、スタッフ間の患者情報共有、多職種の連携を促し、チーム医療の推進に繋がった。