[I-PD01-4] Prenatal prediction of postnatal LV systolic dysfunction in fetuses with TV dysplasia ~ Is it possible?
Keywords:三尖弁異形成, 左室心筋緻密化障害, 胎児心機能
【背景】三尖弁異形成症例において出生後早期に左室機能が低下する症例を経験することがある。【目的】胎児期に診断された三尖弁異形成症例の生後早期の左室収縮低下に関わる胎児エコー所見について検討する。【方法】2017年から2020年に中等度以上の三尖弁逆流を伴う三尖弁異形成と診断した6胎児症例において、出生後の左室機能低下を予測する因子について診療データをもとに後方視的に検討した。【結果】CTARは32%~43%で、全例で動脈管血流は右左短絡であった。出生時には全例において左室収縮は保たれていたがその後2例で左室機能低下が認められ、1例は左室心筋緻密化障害が疑われた。三尖弁形態については、胎児エコーで弁尖の肥厚が疑われたのは3例で、そのうち出生時エコーでも弁尖の肥厚が指摘されたのは1例であり、左室収縮の低下を来した症例であった。三尖弁接合部位の低置が4例で認められ、全4例で生後の左室機能が保たれていた。左室心筋性状は、胎児エコー画像を後方視的に確認すると6例すべてにおいて左室内面が粗な印象を受けたが、出生時の心エコーでは3例のみに左室内膜面の粗雑さが疑われ、そのうち1例は生後早期に左室心筋緻密化障害が顕著となり左室収縮が低下した。胎児エコーにおける僧帽弁逆流は生後左室収縮の低下した2例において軽度に認められ、左室機能が保たれた4例では認められなかった。Fetal HQによる胎児心機能解析を左室機能の低下した2例を含む4例に施行したが、LVFSは3症例に低下が認められ、そのうち2例は生後左室収縮が低下し、1例は生後の左室収縮は保たれた。【結論】今回の三尖弁異形成の6症例による検討では、胎児期の僧帽弁閉鎖不全の存在が生後の左室機能低下を予測する一つの指標となる可能性を考えた。三尖弁形態も生後の左室機能を予測する因子となりうるのかもしれない。今後症例を増やし、fetal HQなどのトラッキングによる胎児心機能評価も用いて検討を重ねたい。