[I-PD01-5] Diagnosis of fetal bradyarrhythmia using strain analysis based on 2-dimensional speckle tracking
Keywords:ストレイン解析, 胎児不整脈, 胎児心エコー検査
【背景】胎児不整脈の診断には、Mモードでの心房・心室壁運動記録、上大静脈・上行大動脈のパルスドプラ波形同時記録が広く用いられている。胎位によっては適切な断面・カーソル位置の設定が難しいことがある。
【目的】ストレイン解析を、胎児徐脈性不整脈の診断に応用する。
【方法】不整脈のない18症例(在胎週数31.7±3.7週)の胎児心エコー四腔断面像(心拍数144±10 bpm)を用いてストレイン解析を行った。左室と右房の心内膜をトレースして連続3心拍のストレイン曲線およびストレインレート曲線を得て、正常リズムにおける心周期の時相を同定した。徐脈性不整脈の3症例も同様に解析し、正常リズムの場合と比較して不整脈の診断を試みた。
【結果】正常リズムの胎児では、左室のストレインレート曲線で、急速駆出期に相当する収縮期ストレインレートが最大となる時相(S波)が同定できた。右房のストレインレート曲線では、拡張期に心房収縮期に相当する大きなピーク(A波)が同定できた。A-S間隔は170±19 msecであった。
<徐脈症例1>在胎24週、胎児心拍数は73~103 bpm、下大静脈欠損。ストレイン解析では、S波とA波が一対一に対応し、A-S間隔は164 msecであり、洞性徐脈と診断した。
<徐脈症例2>在胎28週、胎児心拍数78 bpm。ストレイン解析では、A-S間隔は212 msecで、S波の72 msec後にもう一つの心房収縮波を認めた。房室ブロックを伴う心房性期外収縮の二段脈と診断した。
<徐脈症例3>在胎34週、胎児心拍数51 bpm、母体抗SS-A抗体陽性。ストレイン解析で同定したA波から心房レート154 bpmと算出した。3:1伝導の房室ブロックのようにもみえたが、S波とその直前のA波から算出したA-S間隔は119~128 msecと短かった。完全房室ブロックと診断した。
【考察】左室および右房のストレインレート曲線から、S波とA波が同定できる。その対応関係とA-S間隔を分析することにより、胎児徐脈性不整脈の診断が可能である。
【目的】ストレイン解析を、胎児徐脈性不整脈の診断に応用する。
【方法】不整脈のない18症例(在胎週数31.7±3.7週)の胎児心エコー四腔断面像(心拍数144±10 bpm)を用いてストレイン解析を行った。左室と右房の心内膜をトレースして連続3心拍のストレイン曲線およびストレインレート曲線を得て、正常リズムにおける心周期の時相を同定した。徐脈性不整脈の3症例も同様に解析し、正常リズムの場合と比較して不整脈の診断を試みた。
【結果】正常リズムの胎児では、左室のストレインレート曲線で、急速駆出期に相当する収縮期ストレインレートが最大となる時相(S波)が同定できた。右房のストレインレート曲線では、拡張期に心房収縮期に相当する大きなピーク(A波)が同定できた。A-S間隔は170±19 msecであった。
<徐脈症例1>在胎24週、胎児心拍数は73~103 bpm、下大静脈欠損。ストレイン解析では、S波とA波が一対一に対応し、A-S間隔は164 msecであり、洞性徐脈と診断した。
<徐脈症例2>在胎28週、胎児心拍数78 bpm。ストレイン解析では、A-S間隔は212 msecで、S波の72 msec後にもう一つの心房収縮波を認めた。房室ブロックを伴う心房性期外収縮の二段脈と診断した。
<徐脈症例3>在胎34週、胎児心拍数51 bpm、母体抗SS-A抗体陽性。ストレイン解析で同定したA波から心房レート154 bpmと算出した。3:1伝導の房室ブロックのようにもみえたが、S波とその直前のA波から算出したA-S間隔は119~128 msecと短かった。完全房室ブロックと診断した。
【考察】左室および右房のストレインレート曲線から、S波とA波が同定できる。その対応関係とA-S間隔を分析することにより、胎児徐脈性不整脈の診断が可能である。