[I-SY06-5] Management of congenital heart disease with extracardiac defect
Keywords:心外先天異常, 集中治療, 複合奇形
【背景】先天性心疾患には心外先天異常を合併することが少なくないが、複雑心奇形では手術回数が増え、人工物を用いた修復が必要となることも多く、消化管・泌尿器疾患に対する外科治療との調整が重要である。【対象と方法】2016年11月以降に当院NICUで経験した心外先天異常を合併した先天性心疾患症例20例の管理について後方視的に検討した。【結果】20例の心外先天異常による分類は、食道閉鎖(EA)3例、鎖肛(IA)4例、直腸膜様閉鎖(RA)1例、Hirschsprung病(HD)2例、十二指腸閉鎖(DA)1例、総排泄腔遺残(PC)2例、左横隔膜ヘルニア(CDH)5例、臍帯ヘルニア(CO)1例、Cantrell症候群(CS)1例。EA症例は全例まず食道に対する手術(根治1例、食道banding+胃瘻造設2例)を施行した。IA症例はいずれも瘻孔があったが在宅でのブジーが困難な1例のみ人工肛門造設を先行し、その他は大動脈縮窄を伴う肺血流増加型心疾患のため両側肺動脈bandingを先行した。HD症例は排便コントロールが容易な場合は心疾患に対する姑息術を先行し、困難な場合は人工肛門造設を先行した。PC症例はいずれも日齢1に人工肛門造設を行い、1例はBT shuntに対する抗血栓療法中の総排泄腔根治手術は危険と判断しRastelli術後に膀胱皮膚瘻・造膣・肛門形成・外陰部形成を施行した。CDH・CO症例は心疾患にかかわらずヘルニア修復を先行した。DA・CS症例は心外先天異常に対する手術を先行し、RA症例は前医で穿破・ブジーを実施されており左冠動脈肺動脈起始症のため冠動脈移植を先行した。【考察】内科的に管理不能な消化管閉塞および肺循環に影響を及ぼす横隔膜ヘルニア・臍帯ヘルニアは心疾患にかかわらず外科的治療を先行する必要があるが、待機可能な病態の心外先天異常に対しては抗血栓療法・人工物を用いた修復の有無に応じて、出血・血栓形成・感染性心内膜炎のリスクとともに機能温存にも配慮した治療計画の検討が重要である。