[I-YB04-2] Optimizing contrast methods with diluted contrast media, essential for clear imaging
Keywords:造影方法, 希釈造影剤, 画像処理
【はじめに】小児心臓CTの撮影-造影の方法や画像処理は一定の指針が確立しておらず、個々の施設が独自に工夫しているのが現状である。当院では年間約650件の先天性心疾患(CHD)患者のCTを施行し、丁寧な画像処理を行うことで手術における術式選択に決定的な役割を与えている。CHD患者のCTは、年齢や体重だけでなく、欠損孔-左上大静脈-大静脈肺静脈短絡等の有無、閉塞している静脈、下大静脈と肝静脈が合流していない場合等の様々な要因で、造影用の穿刺部位が変わる。撮影タイミングも造影方法に合わせ調整する必要がある。これらは過去の画像診断が参考になる。造影剤を原液のまま使用すると、注入レートと注入量の少なさから造影不良になるケースが多い。明瞭な画像処理には希釈造影剤を用いた造影が不可欠である。使用ヨード量は減らさずに、生食を加え体積を増やした希釈造影剤を用いることで良好な造影が得られる。患者毎の注入条件の検討は、煩雑なものとなるが、注入条件を計算するフォームを作成しておく事で繊細な調整が行えるようになる。結果としての画像と共に、造影方法と調整用フォームについて報告する。【方法】フォームの以下の基本計算をもとに、患者毎の調整を行った。[1]使用ヨード量を決定(600mgI/Kg)[2]2相の造影の前半と後半の分配率を設定(前半400mgI/Kg15秒、後半200mgI/Kg12秒)[3]希釈率を設定(前半50%、後半30%)[4]後押し生食を設定(4秒)[5]自然循環による待ち時間を設定(2秒)。直後に撮影を行った。【結果-結語】下肢からの造影では、穿刺部位から心臓までの血管以外の静脈も含め、心臓と接続する全ての血管がCT値330以上で造影され、大血管や心内構造(心室流出路-欠損孔)が明瞭に評価できる画像が得られた。4DCTでは弁の構造や動きの評価を行い、3Dプリンターによる立体モデルの作成も比較的容易に行えた。病態や体格を考慮した造影調整フォームは有用であり、詳細を公開する