[II-SY07-3] 二心室修復を目指す疾患に対する両側肺動脈絞扼術
キーワード:両側肺動脈絞扼術, 二心室修復, 肺動脈狭窄
【はじめに】両側肺動脈絞扼術(bil.PAB)は、左心低形成症候群に対する初回姑息術として本邦で広く行われてきたが、二心室修復を目指す疾患にも適用される。
【目的】当院において二心室修復を目指すbil.PABが行われた症例の治療経過を評価し、課題を明らかにする。
【対象と方法】2010年~2020年に当院で行われたbil.PABは40例であり、そのうち二心室修復を目指した24例について、診療録より後方視的に調査した。
【結果】疾患の内訳は総動脈幹(TAC)6例、大動脈弓離断(IAA)6例、TAC+IAA2例、大動脈縮窄(CoA)6例、左室流出路~大動脈の何らかの狭窄病変合併(LVOTO)4例。初回手術時年齢9.5日(4-83日、以下中央値)、体重2.55kg(1.0-4.5kg)。bil.PABの調整術が4例あり、術後早期に強めたものが1例、3~4か月後に緩めたものが3例。その後根治術までの介入は、PDAステント3例、ASD 拡大またはBAS2例、CoA修復+mPAB3例、Truncal 弁形成1例。bil.PABを耐術しなかった死亡が3例あり、染色体異常や多発奇形の合併例であった。5.6か月4.7kgで18例が根治術に到達し、palliative RVOTR後のTAC3例が待機中。根治術後の介入で最も多かったのは、末梢肺動脈狭窄(PPS)に対するバルーン拡大形成術(BA)で、13例に37回行われ、このうち4例に肺動脈形成術が行われた。根治術後自宅での突然死が1例あった。根治術後生存17例の平均観察期間は5.2年、NYHAI~IIが13例、IIIが4例であった。
【まとめ】当院における二心室修復を目指すbil.PABは、主に体格の小さい未熟な新生児に行われていた。87.5%(見込みこみ)の症例が根治手術に到達し、生存例の76.5%でおおむねQOLが保たれていた(NYHAI~II)。bil.PABの影響と考えられる両側PPSに対するBAが頻回であり、bil.PABを短期間に限定して次のステップに進むことが解決策として考えられた。
【目的】当院において二心室修復を目指すbil.PABが行われた症例の治療経過を評価し、課題を明らかにする。
【対象と方法】2010年~2020年に当院で行われたbil.PABは40例であり、そのうち二心室修復を目指した24例について、診療録より後方視的に調査した。
【結果】疾患の内訳は総動脈幹(TAC)6例、大動脈弓離断(IAA)6例、TAC+IAA2例、大動脈縮窄(CoA)6例、左室流出路~大動脈の何らかの狭窄病変合併(LVOTO)4例。初回手術時年齢9.5日(4-83日、以下中央値)、体重2.55kg(1.0-4.5kg)。bil.PABの調整術が4例あり、術後早期に強めたものが1例、3~4か月後に緩めたものが3例。その後根治術までの介入は、PDAステント3例、ASD 拡大またはBAS2例、CoA修復+mPAB3例、Truncal 弁形成1例。bil.PABを耐術しなかった死亡が3例あり、染色体異常や多発奇形の合併例であった。5.6か月4.7kgで18例が根治術に到達し、palliative RVOTR後のTAC3例が待機中。根治術後の介入で最も多かったのは、末梢肺動脈狭窄(PPS)に対するバルーン拡大形成術(BA)で、13例に37回行われ、このうち4例に肺動脈形成術が行われた。根治術後自宅での突然死が1例あった。根治術後生存17例の平均観察期間は5.2年、NYHAI~IIが13例、IIIが4例であった。
【まとめ】当院における二心室修復を目指すbil.PABは、主に体格の小さい未熟な新生児に行われていた。87.5%(見込みこみ)の症例が根治手術に到達し、生存例の76.5%でおおむねQOLが保たれていた(NYHAI~II)。bil.PABの影響と考えられる両側PPSに対するBAが頻回であり、bil.PABを短期間に限定して次のステップに進むことが解決策として考えられた。