[III-PD06-7] Conduit stenosis ~ another pathway to the failing Fontan
Keywords:フォンタン術後合併症, 導管狭窄, FALD
【背景】単心室症に対するフォンタン術後の患者の長期予後が改善する中、人工導管が狭窄をきたす症例が散見されるようになってきた。当院では5年ごとにカテーテル検査を行なっているが、その中で導管狭窄を来した症例の背景、形態的な特徴や狭窄の全身に対する影響を明らかにすることを目的とした。【方法】当院で2010年から2021年1月までにカテーテル 検査を受けた心外導管(EC)を使用したフォンタン術後の15歳以上の患者で、ECに何らかの狭窄を認め、臨床的に治療適応があると考えられた14人のカルテより経過や検査データなどを抽出し、後方視的に検討した。【結果】男女比は11:3で、apicocaval juxtapositionは5例(36%)に認めた。ECフォンタン術は3歳(1-19歳)、身長98±28cm、体重15±10kgの時に、ECサイズは16mm 4例、18mm 9例、20mm 1例で開窓術は6例(43%)で行われていた。カテーテル検査時年齢は21±6歳、身長160±9cm、体重52±12kgであった。IVC圧は11±3mmHgでSVCとの圧較差は1mmHg(-1-4mmHg)であった。IVCからのコントラストエコーは10例(71%)で陽性だった。造影にてECの最小径は8.8±2.2mm、最大径は14.7±2.9mmに対しIVCは23.7±4.9mmと拡大を認めた。導管の角度は151±12°(正面)、143±18°(側面)とカーブを描いていた。運動負荷試験のVO2は23.3±5.3mL/kg/minで、ピーク時のSpO2は85±4%と低下していた。Forn’s index, APRIはそれぞれ4.9±2.3、0.7±0.3であった。抗血小板薬は13例、抗凝固薬は3例で内服されていた。蛋白漏出性胃腸症を2例、肝内腫瘍を1例に認めた。【まとめ】EC狭窄は男性に多く、フォンタン15年目前後で、開窓術や曲線を起点に狭窄をきたしていた。IVC圧や狭窄前後の圧較差は小さいものの、運動耐容能の低下や酸素飽和度低下を認めたり、肝線維化マーカーの異常や心外合併症を来している症例も認めた。今後EC狭窄をきたすリスク因子や治療についてさらなる研究を進めたい。