[OR13-1] 当院で術後早期にカテーテル治療を施行した症例の遠隔期予後
キーワード:先天性心疾患術後, 術後早期カテーテル治療, 遠隔期
【背景】我々は、以前 当学会で、2000年3月から2014年12月に先天性心疾患術後30日以内にカテーテル治療を施行した9症例の急性期における有効性を発表した。今回、それらの症例の遠隔期の予後評価を行った。【方法】各症例の診療録を後方視的に検索し、現在までの経過(年齢、観察期間、生存、take downの有無、病変部への追加治療、学校生活管理区分、NT-pro BNP値など)について検討した。【結果】9症例のカテーテル治療時の年齢は中央値6ヶ月(27生日-6歳)、多くが肺動脈閉鎖。カテーテル治療前の術式はBTS術3例、Glenn術2例、TCPC術3例、CoA術1例。カテーテル治療日の中央値はPOD 8(POD 3-POD20)。治療内容は、BTS術後・CoA術後の4例はバルーン拡張術、Glenn術後の2例はSVCバルーン拡張術1例・APC coil塞栓術1例、TCPC術後の3例はIVC stent 1例・RPA stent 1例・APC coil塞栓術1例であった。2021年2月現在の年齢は中央値11歳(6歳-13歳)、治療後の観察期間は中央値9年(6年-10年)で、全例生存。take downした症例や、病変部への追加の外科治療を要した症例なし。追加のカテーテル治療を要した症例は4例あり、内容はBTS再狭窄に対するバルーン拡張術3例・TCPC術後のRPA再狭窄に対するバルーン拡張術1例であった。NT-pro BNP(pg/mL)の中央値は93(34-1029)、学校生活管理区分はE3名・D4名・C2名で、Cの2名は中枢神経疾患の合併に伴うものであった。【結論】当院で術後早期にカテーテル治療を行った症例は、遠隔期においても早期治療の合併症はなく、循環動態を維持できていた。術後早期であっても、タイミングを見逃さず積極的にカテーテル治療を行うことで、良好な予後が期待できる。