The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Digital Oral

カテーテル治療

デジタルオーラルI(OR13)
カテーテル治療 3

指定討論者:杉山 央(聖隷浜松病院)
指定討論者:中川 直美(広島市立広島市民病院 循環器小児科)

[OR13-2] 右室流出路に対する血管拡張術における素材毎の拡張性~経皮的肺動脈弁置換術における素材毎の最大拡張径の予測~

藤本 一途, 加藤 温子, 伊藤 裕貴, 加藤 愛章, 岩朝 徹, 大内 秀雄, 津田 悦子, 白石 公, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器科)

Keywords:経皮的肺動脈弁置換術, 経皮的血管形成術, 右室流出路再建術

【背景】本邦では右室流出路 (RVOT)再建時に多彩な素材が用いられており、素材毎の経皮的肺動脈弁置換術 (TPVI)における最大拡張径は不明である。【目的】RVOTに対する経皮的血管形成術 (PTA)施行時の透視上の最大バルーン拡張径(max Bd)から素材毎の拡張性を評価する。【方法】当センターで導管を用いてRVOTを再建した症例の内、使用素材毎に想定バルーン径 (iBd)・iBdと導管のデザイン径 (Cd)の差・手術からPTAまでの期間・max BdとPTA後のRVOT径の差 (recoil 径)・max BdとCdの差 (最大拡張性)についてKruskal-Wallis検定を用いて比較した。ダブル・トリプルバルーン使用時におけるiBdはYeager・Gaylordの表を用いて算出し、max Bdは狭窄部位における二つ以上のバルーン最大拡張径の合計値とした。【結果】32症例 (男性24例・女性8例)で手術時年齢・PTA施行時年齢・Cd・iBdはそれぞれ8 (0-35)歳、26 (5-47)歳、18 (10-26)mm、18.2 (10-23.5)mmであった(中央値、以下同じ)。素材毎のiBdとCdの差には有意差は無かった。素材使用数・手術からPTAまでの期間・recoil径・最大拡張性はそれぞれGoretex (14例、38ヶ月、3.0mm、-1.7mm)・Xenomedica (9例、146ヶ月、-2.0mm、-2.5mm)・Contegra (4例、57ヵ月、3.8mm、1.7mm)・牛心膜(3例、69ヶ月、2.5mm、0mm)・ホモグラフト(3例、149ヶ月、-0.8mm、-4.2mm)・豚心膜(1例、225ヶ月、1.6mm、-0.7mm)でContegraにおいて有意に手術からPTAまでの期間が短くrecoil径が大きく最大拡張性も大きい傾向があり、Xenomedica・ホモグラフトは有意にPTAまでの間隔が長くrecoil径が小さく最大拡張性も小さい傾向があった (それぞれP=0.016、P=0.005)。【考察】海外の報告ではホモグラフトの拡張性が良い事を考慮すると、導管の拡張性は素材の違いより手術からPTAまでの期間が関係している可能性が示唆された。