The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Digital Oral

集中治療・周術期管理

デジタルオーラルI(OR17)
集中治療・周術期管理 1

指定討論者:松井 彦郎(東京大学医学部小児科)
指定討論者:大崎 真樹(東京都立小児総合医療センター)

[OR17-3] ファロー四徴において新生児期超音波検査での左右肺動脈径から計算したNPAIは体肺シャント術施行を予測する

豊島 由佳1, 加藤 温子1, 廣田 篤史1, 坂口 平馬1, 今井 健太2, 帆足 孝也2, 市川 肇2, 白石 公1, 黒嵜 健一1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器内科, 2.国立循環器病研究センター 心臓血管外科)

Keywords:ファロー四徴, 体肺シャント術, NPAI

【背景】ファロー四徴では肺血管床の評価にPA index (Nakata index) が用いられているが、新生児や乳児には適用できない。一方、新生児期超音波検査では分岐部直後の両側肺動脈径は比較的容易に計測可能である。【目的】新生児期超音波検査での左右肺動脈径による心内修復術前の体肺シャント術施行予測について検討した。【方法】新生児期超音波検査で肺動脈分岐直後の左右肺動脈径より求めた断面積を加算し、体表面積で除したものをNPAI(Neonatal PAI)と定義した。当院にて2015年6月から2021年1月までに体肺シャント手術もしくは心内修復術を施行したファロー四徴のうち、NPAIを計測した26例を対象とした。体肺シャント手術施行(SP)群16例と非施行(nSP)群10例に分け、NPAIのカットオフ値について後方視的に検討した。【結果】対象の出生週数は中央値 38.9(範囲33.9-41.4)週、出生体重は2.9(1.3-3.9)kgであった。NPAIは96(69-226)で、生後13(6-25)日の超音波検査で計測した。体肺シャント手術の施行時期は25(13-81)日、心内修復術施行時期は1.0(0.7-2.2)歳であった。SP群はnSP群に比して優位にNPAIが小さかった(87 (69-134) vs 137 (74-226), p=0.0018) 。NPAIの体肺シャント術施行カットオフ値は120 (AUC=0.85)であった。【結論】ファロー四徴のNPAIは体肺シャント手術の予測因子として有用である。