The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

複雑心奇形

デジタルオーラルI(OR6)
複雑心奇形 1

指定討論者:上田 秀明(神奈川県立こども医療センター)
指定討論者:新川 武史(東京女子医科大学)

[OR6-2] 大動脈離断・心室中隔欠損症例における術後LVOTSを回避するための術式選択

近藤 麻衣子1, 馬場 健児1, 栄徳 隆裕1, 重光 祐輔1, 福嶋 遥佑1, 平井 健太1, 原 真佑子1, 大月 審一1, 笠原 真悟2, 岩崎 達雄3 (1.岡山大学病院 小児循環器科, 2.岡山大学大学院医歯薬総合研究科 心臓血管外科, 3.岡山大学大学院医歯薬総合研究科 麻酔蘇生学)

Keywords:IAA, LVOTS, SAS

【背景】大動脈弓離断・心室中隔欠損(IAA/VSD)症例はarch repairによる二心室修復術後に左室流出路狭窄(LVOTS)を来す例もあり、高度狭窄が予測される場合にはDKS typeの手術が必要となる。LVOTS予測因子や術式選択基準については未だ議論がなされているが、当院では、体重(kg)+1mm(二尖弁の場合は+2mm)以上のAoV径と、体重(kg)+1mm以上のLVOT径を有すればarch repairの方針とし、基準以下の場合は症例毎に検討している【目的】IAA/VSD症例で上記基準を満たすものをA群、基準以下をB群とし後方視的に検討【対象】2008~2020年に診断後より当院で加療を行ったIAA/VSD30例【結果】<症例数>A群21例、B群9例<bilPAB>A群5/21例(24%)、B群4/9例(44%)<大動脈再建法>A群全例arch repair、B群5例arch repair、4例Norwoodで2例二心室修復術到達<大動脈再建時期>日齢3~1歳4か月(平均日齢13)<大動脈再建後観察期間>3か月~12年9か月(平均6年2か月)<術後LVOTS(エコー上3m/s以上)>A群3/21例(14%)、B群4/5例(80%)(P<0.01)<LVOTS解除術>A群1/21例(5%)、B群3/5例(60%)(P<0.01)<LVOTS解除術後経過>A群1例狭窄残存、B群2例狭窄残存2、1例DKSに転換<B群の治療選択>1歳4か月でのNorwood+Rastelli施行例を除くと4か月までに大動脈再建施行され、全例LVOT基準以下で、LVOTがAoV正常値の60%以上の5例はarch repair、60%未満の3例はNorwood施行。AoV基準以下は4例(全例二尖弁)で、AoV≧BW+1.5の2例はarch repair、AoV<BW+1.5の2例はNorwood施行。DKS転換例はLVOTがAoV正常値の60%であった【考察】B群のarch repair例ではLVOTS、LVOTS解除術率は高値だった。bilPAB後の症例においてAoV、LVOT径の拡大例もあれば不変例もあり、今回の症例数では経過による傾向は不明であった。しかしDKS施行後にAoVやLVOTの成長によりDKS take downによる二心室修復施行例の報告もされており、経過による変化も考慮し治療選択をする必要がある