The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Digital Oral

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デジタルオーラルII(P12)
画像診断 2

指定討論者:武内 崇(海南医療センター)
指定討論者:大野 直幹(川崎医科大学 小児科学)

[P12-1] 新生児症例に対するspeckle tracking法を用いた左室ねじれの評価

上田 和利, 土井 悠司, 荻野 佳代, 林 知宏, 脇 研自, 新垣 義夫 (倉敷中央病院 小児科)

Keywords:speckle tracking法, 左室ねじれ, 新生児

【背景】左心室は、内層と外層の斜走筋の収縮によるねじれが生じており、収縮能との関連の報告がある。年齢が上昇すると左室ねじれ角度は増加する (3-9歳 10±3.3度、10-16歳 12.2 ± 4.3度)が、左室長で補正すると年齢による差はないと報告されている (3-9歳 1.67±0.51度、10-16歳 1.63±0.32度)。今回、新生児症例の左室ねじれをspeckle tracking法で評価した。【方法】対象は2020年12月から2021年1月に当院NICUに入院した先天性心疾患のない新生児8症例。機器はEPIQ Elite、プローベはS9-2を使用。生後24時間以内に心基部と心尖部の短軸像を、心拍数の差は5bpm前後となるように撮像。解析はQ LAB 15.0を使用。心尖部から見た反時計回転を正とし、ねじれ角度は心尖部から心基部の回転角度を引いたものとした。左室長は四腔像での僧帽弁付着部位の中間点から心尖部までの距離とした。【結果】在胎週数は中央値38週 (36-40)、出生体重は中央値2803g (2416-3412)。心拍数、平均血圧は中央値131回/分 (107-136)、50mmHg (33-61)。超音波検査所見は、LVDd 16.6 ± 4.2mm、EF 63.8 ± 13.9 %、LV ejection time 190 ± 69秒、左室長 2.64 ± 0.24 cm。Frqme rateは119 ± 72.5 Hz。心尖部、心基部回転のpeakは3.36 ± 0.69度、-2.93 ± 1.06度、左室長補正した心尖部、心基部回転のpeakは1.28 ± 0.24度/cm、-1.12 ± 0.45度/cm。左室ねじれ角度は3.09 ± 0.92度、左室長補正した左室のねじれ角度は1.18 ± 0.35度/cm。収縮早期の回転方向は全例で心尖部と心基部ともに反時計回転であった。【考察】新生児は心筋の未熟性のため、成人と比較して収縮能は劣ると示されている。今回の検討では、左室ねじれ角度は既報の小児例より低値であり、収縮早期に心尖部と心基部は同方向に回転していた。左室長により補正すると左室ねじれ角度の年齢による差は軽減した。新生児例でも左室ねじれの特徴を評価することは可能であった。