[P15-1] 低体重児の動脈管開存症に対する閉鎖術式の推移
Keywords:カテーテル治療, 動脈管開存症, Amplatzer Piccolo Occluder
【背景】Amplatzer Piccolo Occluder(APO)が導入され、動脈管開存症(PDA)に対するカテーテル治療適応の拡大が期待されている。【目的】低体重児のPDA閉鎖術施行例について選択術式の推移および成績を検討しカテーテル治療の課題を検討すること。【対象および方法】2013年以降、PDA (複雑心奇形合併例を除く)に対する閉鎖術を施行した10kg未満の86例(男30例、女56例)についてA群(施行時体重1kg未満)、B群(1-2kg)、C群(2-6kg)、D群(6-10kg)に分類し、選択術式、PDA径、術前後経過を後方視的に検討した。【結果】A群は28例(全例外科手術を施行)で施行時体重0.76±0.15kg、施行時日齢19.8±11.7日、PDA径1.7±0.5mm、B群は11例(全例外科手術を施行)で体重1.23±0.25kg、日齢19.8±9.7日、PDA径2.2±1.2mm、C群は21例(カテーテル治療1例、外科手術20例)で体重3.80±1.73kg、日齢86.0±140.2日、PDA径4.4±1.5mm、D群は26例(カテーテル治療25例(ADO17例、Coil 8例)、外科手術1例)で体重8.26±2.75kg、日齢268.5±240.1日、PDA径3.2±1.7mm。選択術式の推移については2016年以降6kg以上の症例ではすべてカテーテル治療が選択されていた。ADO-II導入以降Coil治療選択例はなかった。手術関連死亡なし。合併症はA群で反回神経麻痺、B群で乳び胸、D群ADO治療例で溶血(血小板減少)をそれぞれ1例認めた。残存短絡はC群で2例(外科手術1例、ADO1例)、D群で1例(Coil)を認めた。カテコラミン使用例は40/86例(A群96.4%、B群90.9%、C群14.2%、D群0%)だった。【考察】B群はPDA径3mm以下の症例もあり、APO留置可能な症例が含まれている。2-6kgの症例は体重増加が望めない太いPDA症例が多く、治療時期や術式選択が重要である。6kg以上の症例については安全にカテーテル治療が実施できていている。【結語】外科手術成績は良好であり、カテーテル治療適応拡大のためには、APO症例の蓄積と術前術後の低侵襲な全身管理が重要になる。