[P15-2] Amplatzer Duct Occluder-I(ADO-I)の最小径は留置から半年かけて一定値に収束する.
Keywords:動脈管開存, ADO, 形態変化
【背景】ADO-Iは半径方向力(RF)によって動脈管に固定されるが、留置後の形態変化は明らかではない。【目的】ADO-Iの留置後最小径の経時的変化を明らかにすること。【対象】2011年から2020年まで当院でADO-Iによる動脈管閉鎖術を施行し胸部単純写真を追跡しえた56例。年齢0.2から32歳(中央値2.5)、体重4.1から56kg(中央値12.1)。【方法】留置翌日、1か月、3か月、6か月、1年の胸部写真側面像でADO-Iの最小径を計測した。解析は反復測定分散分析を用いp<0.05を有意とした。【結果】動脈管形態はA型47例、E型9例で最小径は1.3から5.5(平均2.5)mmであった。最終留置閉鎖栓はADO-Iの5/4が2例、6/4が9例、8/6が35例、10/8が10例で、5/4以外の3群を解析した。最小径の平均値は6/4が3.5mm(2.8から4.8)→3.6mm(3.1から4.3)→3.6mm(3.2から4.2)→3.8mm(3.4から4.2)→3.6mm(3.4から3.9)と推移した。同じく8/6は4.4mm(3.3から7.3)→4.5mm(3.6から6.8)→4.5mm(3.7から6.0)→4.7mm(3.7から5.7)→4.7mm(3.8から5.8)、10/8は6.4mm(4.7から7.6)→6.5mm(5.7から7.4)→6.9mm(5.9から8.0)→6.7mm(6.1から7.2)→6.7mm(5.8から7.2)と推移した。ADO6/4の平均値は6か月にかけて増大した。翌日の最小径が4mm以上の2例はむしろ縮小傾向あり、6か月で3mm台後半に収束した。ADO8/6は3か月にかけて増大し、6か月と1年で有意差はなかった。ばらつきは6か月に至るまで減少し4から5mm台に収束した。ADO10/8では3か月まで平均値は増大したが7mm以上の例はその後縮小に転じ1年でほぼ6mm台に収束した。【考察】閉鎖したPDAはADOの復元力によるRFと血管収縮のバランスが平衡に達して器質化するものと考える。【結語】ADO-Iの最小径は留置後3から6か月かけて6/4は3mm台後半に、8/6は4から5mm台に、10/8は6mm台に収束していた。