[P19-2] 肺動脈弁狭窄症における経皮的肺動脈弁形成術の予後について
キーワード:肺動脈弁狭窄症, 経皮的肺動脈弁拡張術, Noonan症候群
【背景】経皮的肺動脈弁形成術(balloon pulmonary valvuloplasty, BPV)は肺動脈弁狭窄症(pulmonary stenosis, PS)治療の第一選択として乳児期早期から行われ、術直後には狭窄が改善することが多い。しかしBPVの予後に関する報告は少ない。【対象と方法】東京都立小児総合医療センターにて2010年3月1日より2020年12月31日までにPSの診断で初回治療としてBPVを行った患者31例のうち、ファロー四徴症患者を除く28例(フォローアップ期間中央値53か月、2-142か月)を対象に、電子診療録を用いて後方視的検討を行った。【結果】初回BPV時の月齢の中央値は5か月(0-63)、体重は7.0kg(2.3-19.5)、男児は15例(46%)、遺伝性疾患は4例(Noonan症候群:3例、Alagille症候群:1例、14%)、その他の先天性心疾患の合併は17例(61%)に認めた。2回以上のBPVまたは手術による再介入を10例(35%)に認めた。再介入群では、非再介入群と比較してBPV時の体重が有意に小さく(3.9kg vs 7.6kg, p=0.009)、BPV時の月齢が小さく、肺動脈二尖弁、Noonan症候群が多い傾向を認めた。両群で肺動脈弁弁輪径Z値、BPV前後の経肺動脈弁最大圧較差(PG)、使用バルーン径/弁輪径比、拡張回数に明らかな差は認められなかった。再介入群では非再介入群よりBPV後のPG減少率が低い傾向があり、心カテでの再評価までの期間は有意に短かった(8か月 vs 15か月, p=0.01)。【結論】低体重はBPV抵抗性のリスク因子と考えられた。