[P24-3] カテーテル関連血流感染時における起因菌のカテーテル検出部位についての検討
キーワード:中心静脈カテーテル, カテーテル関連血流感染, 先天性心疾患
複雑先天性心疾患において段階的手術時や消化管疾患等の合併例で長期に中心静脈カテーテル(CVC)が必要な場合、経過中に中心静脈へのアクセスルートの血管が限定される症例が散見される。感染時は対応に苦慮し、長期留置型のCVCはエタノールロックなどが行われることもある。また、感染の部位は体外のCVCのルート部分とする報告もあり、今回CVCの構成部分の感染部位別の検討を行った。【方法】 先天性心疾患術後の周術期に血液培養と通常のカテ先培養から菌が検出されたCVC感染の症例に対し、抜去されたCVCの感染部位について検討した。感染したCVCを抜去し通常の先端の培養を提出した。残されたCVCのうち体内に挿入されている部分および体外のハブ部分をそれぞれ1cm長に切断し、更に縦切開し内腔面の細菌培養を行った。【結果】 6本のCVC(トリプルルーメン3本、ダブルルーメン3本)について検討を行った。6本中5本は体外のハブ部分での菌の検出を認めた。同定された菌種は血液培養および通常のカテーテル先端の培養と同一の菌種が検出され全例菌株はMRSEであった。【考察】 CVCの感染において体内に留置された部分だけでなく体外のハブ部分においても起因菌の検出が確認された。薬液経由での細菌の侵入を防ぎ、ハブ部分への細菌の定着リスクを最小限にするために、インラインフィルターを使用することは選択肢と考えられた。また、長期留置型のCVCにおいて、エタノールロックは有効である可能性が示された。